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【連載】北米イノベーション最前線 ヘルスケアニュース from Silicon Valley⑩

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【私たちが想像するヘルスケアの未来は、少しずつ現実となっている。そんな北米の最新ヘルスケアイノベーション情報を定期的にお届け致します。】

先週BaxterによるHillrom買収の噂をお届け致しましたが、先日、現実のものとなりました。本買収により、BaxterはDXによるコネクテッドヘルスケアの取組みを加速させると発表しています。医療機器業界では、6月のMedline買収に続き、今年2件目の1兆円超の大型M&Aとなります。(尚、どちらの案件もWall Street Journalが公表前(交渉段階)から一早く報じており、流石の情報収集力と感じております。)  

1.デジタルヘルス

1) Whoops社、新製品ウェアラブルデバイスを発表

ウェアラブルデバイスを開発するWhoopが、新製品「Whoop 4.0」を発表した。測定可能なバイタル項目やデータ分析機能等に他社との差別化要素は特段見られないが、従来品と比べ33%の小型化を実現した結果、腕に装着する以外にも、同社が発売する下着やスポーツウェア等の衣料品「Whoop Body」と組み合わせる(衣類のスロットにバイオセンサーを挿入する)ことで、体の様々な部位で、人目につかず、バイタル測定することが可能となっている。同社は、先月、ソフトバンク等から$200Mの資金調達を実施。バリュエーションは$3.6Bまで跳ね上がり、その動向に注目が集まっている。

2) Amazon社、米国主要20都市に「Amazon Care」のフルパッケージを展開予定 

Amazonは、2022年迄に「Amazon Care」を米国主要20都市(サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴ、ニューヨーク、ボストン、ヒューストン等)に於いて、「フルパッケージ」でのサービス提供に向け、計画を進めている。オンライン診療やオンライン薬局については、既に全国への拡大を順次進めているが、自宅での採血・検査等、訪問型サービスについては、本社のあるワシントン州の他、ワシントンDC、ボルチモアと一部地域に限られていた。また、Amazonは、大手保険会社(CVS Health、Premera Blue Cross等)との協議を進めていると見られ、民間保険プランへの追加が実現すれば、事業展開の更なるスピードアップが見込まれる。

2.メディカルデバイス

1) Stryker社、手術中の出血量を自動測定するソフトウェアを開発するGauss Surgical社を買収

Strykerが、スタートアップのGauss Surgicalを買収すると発表した。Gaussが開発する「Triton」は、専用のアプリをダウンロードし、手術中のスポンジ、ガーゼ、廃液キャニスターをiPhone/iPadのカメラにかざすことで、AIによって画像を解析し、手術中の出血量を自動測定するソフトウェアであり、オペ業務効率化ソリューションとして、注目を集めていた。Strykerは、先月、最新の手術中スポンジカウントシステムである「SurgiCount +」を上市する等、オペ室業務周辺に注力しており、相乗効果を狙うとのこと。  

2) 英Smith Group、医療機器子会社を米ICU Medicalに$2.35B(約2,586億円)で売却

英Smith Groupが、医療機器子会社のSmith Medicalを、米ICU Medicalに$2.35Bで売却することを発表した。Smithは輸液ポンプ、末梢静脈カテーテル、呼吸器系デバイスに強く、ICU MedicalのIV(静脈注射)療法機器と組み合わせることで、救命救急、麻酔、患者モニタリング領域をカバーする大手医療機器メーカーが誕生することとなる。尚、Smith Groupは本年8月にSmith MedicalをPEファンドのTrulli Bidcoに売却する方針を発表していたが、乗り換えた形となった。

3.ヘルスケア

1) スマート歯科矯正デバイスを開発するInBrace社、新たに$102M(約112億円)の資金調達を実施

AIとスマートワイヤーを活用した画期的なスマート歯科矯正デバイスを開発するInBraceが新たに$102Mの資金調達(Series D)を実施した。画像スキャンから矯正スマートワイヤーを作成のうえ、裏側(舌側)矯正を行う。徐々にスマートワイヤーが動いていき矯正される仕組みで、ワイヤーやブラケットの交換がなく、歯科クリニックでの診療頻度が少なく済み、痛みや不快感も大幅に軽減される。矯正装置が外から全く見えないため、生活上の満足度も高い。

2) コストダウンに寄与?手術を病院から外来手術センターに

米国最大の民間保険グループであるUnited Healthのレポートによると、一般的な民間保険加入患者の病院での外来手術の平均価格は、$7,716、ASC (Ambulatory Surgical Centers:外来手術センター)では、$3,157であり、手術を病院からASCに移せば$4,559 (59%)ものコストダウンに繋がるとのこと。米国では、医療費抑制効果に加え、COVID-19によって、手術を病院からASCに移行する流れに拍車が掛かっており、専用の診療報酬が適用される等、法整備も含めた大きなトレンドとなっている。(尚、米国を代表する医療機関グループのKaiser Permanenteでは、既に89%の人工関節置換術が、日帰り・在宅リカバリーとなっている。)  

記事提供者
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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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