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【連載】北米イノベーション最前線 ヘルスケアニュース from Silicon Valley⑫

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【私たちが想像するヘルスケアの未来は、少しずつ現実となっている。そんな北米の最新ヘルスケアイノベーション情報を定期的にお届け致します。】

今年に入り、ウィメンズヘルス領域(Femtechとも呼ばれる)への投資が更に活発化しています。これには、近年の医療に於けるデジタル技術の向上により、プライバシー保護や遠隔医療技術の進歩も一翼を担っているようです。同様に、米国ではLGBTQ+領域への投資も伸びており、注目を集めています。 

1.デジタルヘルス

1) ウィメンズヘルス領域への投資が活発化

近年注目されているウィメンズヘルス領域への投資が更に活発化している。米国では、今年1-8月の同領域ベンチャー投資額が$1.3Bに上り、2020年の年間投資額と比較すると8月末時点で既に倍増している状況。Carrot($75M)、Tia($100M)、Maven’s($110M)等の大型ディール・ユニコーン化が見られた他、RoによるModern Fertility買収やLabCorpによるOvia Health買収等、大手によるウィメンズヘルス参入も進む。セグメント別では、「産前・産後ケア」「プライマリケア」「不妊治療・サポート」の企業数が多く投資が集中しており、特に、「産前・産後ケア」は、過去のウィメンズヘルス領域に於けるベンチャーEXIT件数の半数以上を占める。Rock Healthのレポートでは、上記に続き、今後成長が見込まれる領域として、更年期障害関連、メンタルヘルス等が挙げられている。

2) 医療専用システム間連携プラットフォームのXealth社、14の医療機関グループから$24M(約26億円)の資金調達を実施

医療専用のミドルウェア(システム間連携)プラットフォームを展開し注目を集めるXealthが、Advocate Aurora、Stanford Health、Memorial Hermann等14の医療機関グループから$24Mの資金調達(Series B)を実施した。同社プラットフォームを活用し、EHR・ソフトウェア・アプリ等を連携させることで、医療従事者がワンストップで、多様な業務を行うことができる。また、患者と医療機関を繋ぐDigital Front Door(予約・支払・オンライン診療・患者データ閲覧等を行うワンストップアプリ)にも利用されている。多くのデジタルヘルス企業やシステム会社が同社と提携しており、医療機関がソフトウェアを導入する際の膨大なシステム連携作業が不要となる為、病院は、ソリューション選択の柔軟性が増す他、ツール導入のスピードアップが図れる。

2.メディカルデバイス

1) GE Healthcare社、超音波画像診断装置を開発するBK Medicalを$1.45B(約1,615億円)で買収

GE Healthcareが、超音波画像診断装置を開発するBK Medicalを$1.45Bで買収することを発表した。BKのデバイスは、手術や生理検査、その他の外科的治療時のリアルタイムな超音波診断に強みを持っており、GEは今まで手薄であった同領域事業を強化・拡大し、強みである術前および術後の超音波診断領域と繋げることで「術前・術中・術後の超音波診断」を一貫してカバーできる製品ポートフォリオを構築することが狙いとのこと。尚、現在日本に於けるBK Medicalの総代理店は日本メディカルネクストが務めている。

2) Boston Scientific社、血栓除去デバイスを開発するスタートアップ、Devoro Medicalを$336M(約373億円)で買収    

Boston Scientificが、画期的な血栓除去デバイスを開発するスタートアップのDevoro Medicalを$336Mで買収することを発表した。Devoro社が開発する「WOLF Thrombectomy platform」は末梢血管の血栓をベルトコンベアのような仕組みで掻き出し、備えられたスリーブから吸引することで血栓を除去する構造となっており、2019年にFDA取得している。本買収により、Boston社は、既存製品の「AngioJet」(末梢及び冠動脈血栓除去デバイス)と「EKOS endovascular system」(カテーテルガイド式血栓溶解システム)に、新たな血栓除去製品ラインナップを追加することで、同領域事業の更なる強化を狙う。

3.ヘルスケア

1) Apple社、うつ病、認知機能低下の診断支援をするiPhone機能を開発中  

Appleは、現在、UCLA、Biogenの其々とうつ病、認知機能低下の診断支援を行うiPhone機能を新たに開発中とのこと。どちらの機能も、アクティビティ、睡眠情報等がアルゴリズムに組み込まれる予定とのことだが、まだEa     rlyな検討段階とのことで詳細は不明。UCLAは、8月にiPhone、Apple Watch等を使ったうつ病に関する研究プロジェクトを発表している。UCLAとは「Seabreeze」、Biogenとは「Pi」というコードネームでプロジェクトが進められているとされる。また、Appleは、上記以外にもDuke UniversityとiPhoneのカメラを活用した自閉スペクトラム症の早期発見アプリの開発を進めているとされ、水面下で様々なヘルスケアプロジェクトに取組んでいる。

2) 世界的な半導体不足が医療機器業界に及ぼす影響

AdvaMed(米国先進医療技術工業会)が「世界的な半導体不足が医療機器業界に及ぼす影響」に関するレポートを出し、話題となっている。2019年の医療用半導体の総売上は$5.1Bで半導体市場全体($415B)の約1%であり、AdvaMed所属企業の内、2/3の企業が半分以上の製品に半導体を備えているが、COVID-19を背景とする需要の急拡大と供給体制のひっ迫により、医療機器業界も他業界と同様に影響を受けている。AdvaMedによる所属企業へのヒアリング調査では、回答者全てが何らかの半導体不足の影響を受けたと回答しており、特に深刻な影響として、納品の遅延、キャンセル、注文の減少等が挙げられている。最近の事例ではPhilipsのCPAP製品のリコールの影響でResMedの製品の需要が急速に伸びたものの、半導体不足で製品供給が追い付かなかった等がある。本調査結果をもって、AdvaMedは政府機関に対し医療機器業界へ半導体の供給を優先させるよう要求した。

記事提供者
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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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