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【連載】北米イノベーション最前線 ヘルスケアニュース from Silicon Valley⑪

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目次

【私たちが想像するヘルスケアの未来は、少しずつ現実となっている。そんな北米の最新ヘルスケアイノベーション情報を定期的にお届け致します。】

スペースXが、民間人だけで地球を周回する世界初の宇宙旅行を成功させました。乗客4人の内の一人は幼少期に骨肉腫を克服した米セント・ジュード児童研究病院の職員であり、小児がん治療で有名な同病院への寄付集めが目的とのことです。病気を乗り越え、夢を掴む人が一人でも増える世の中になると嬉しいですね。

1.デジタルヘルス

1) メンタルヘルス・ソリューションを提供するSpring Health社、$190M(約211億円)の資金調達を実施、企業価値は約$2B(約2,228億円)

企業向けメンタルヘルス・ソリューションを提供するSpring Healthが、$190Mの資金調達(Series C)を行った(企業価値$2B)。米国では4人に1人がメンタルヘルスケアを必要としているとされる中、ヘルスケア現場では、患者に対してトライ&エラーによる診察・サービス提供が行われている為、適切なケアを受けられる確率は、約16%と精度が低い。同社では「Precision Mental Healthcare」をコンセプトに、個々人に合った適切なケアプランを機械学習     等を活用し組み立てることに注力しており、アプリを通じたセラピー、ヘルスコーチ、ケアナビゲーション、メンタル管理等、多様なサービス・ツールを提供している。本資金調達によりグローバル展開を加速させる方針。

2) 遠隔リハビリのRecoveryOne社が、新たに$33M(約36億円)の資金調達を実施 

遠隔リハビリ(理学療法)のRecoveryOneが、新たに$33Mの資金調達(Series C)を実施した。同社は、アプリを通じて、オンラインで、セラピーを提供する他、リハビリ進捗状況等につき管理可能。PBM(薬剤給付管理)大手のExpress Scriptsは、昨年よりデジタルヘルスフォーミュラリーに同社ソリューションを加えている。遠隔リハビリは、デジタルヘルスの中でも注目領域の一つで、コロナ禍に於いて多くのスタートアップ(Hinge Health、SWORD等)が成長を続けている。先週は、Hinge Healthが、モーション画像認識技術を有するWrnchを買収したことも話題となった。

2.メディカルデバイス

1) 前立腺がんアブレーション治療デバイスのFrancis Medical社、$55M(約61億円)の資金調達を実施

前立腺がんアブレーション治療デバイスを開発するスタートアップのFrancis Medicalが、$55Mの資金調達を行った。同社の開発するデバイスは、水蒸気の熱エネルギーを、標的となるがん組織に集中的に放出することにより、人体への影響を抑えながら治療を行うことができる。同じく水蒸気によるアブレーション治療では、NxThera(前立腺肥大治療:2018年にBoston Scientificが買収)、AEGEA Medical(重度月経出血治療:2021年にCooper Surgicalが買収)、Procept Biorobotics(前立腺肥大治療ロボット:2021年IPO)等、続々とExitするスタートアップが出てきており、注目を集めている。  

2)ZOLL Medical社、無呼吸睡眠障害の在宅向け診断ソリューションを開発するItamar Medica社を$538M(約599億円)で買収

AEDを含む除細動器や、人工呼吸器等を開発するZOLL Medicalが、無呼吸睡眠障害の在宅向け診断ソリューションを開発するItamar Medicalを$538Mで買収することを発表した。Itamar社が開発するWatchPATは、独自の信号や、心拍数、酸素濃度、胸部運動等を数値化し、睡眠時の無呼吸状態をスコアリングする。Zoll社によると、心臓血管疾患患者の60%は睡眠時無呼吸症に苦しんでおり、そのような患者の診断・治療を推進していくことが狙いとのこと。尚、Zoll社は本年4月にも中枢性睡眠時無呼吸症治療のための植え込み型神経刺激デバイスを開発するRespicardiaを買収している。

3.ヘルスケア

1) 細菌の増殖に抵抗する電気刺激を発生させる「スマートデンタルインプラント」をペンシルバニア大学が開発

ペンシルバニア大学の研究者が、細菌の増殖に抵抗する電気刺激を発生させる「スマートデンタルインプラント」を開発した。歯科用インプラントは口腔内で数十年使用することを目的とされているが、実際には細菌等による歯茎の感染で、5-10年以内に入替えとなってしまうことが多く、感染予防がインプラントの寿命を延ばすために重要とされている。更に、同スマートインプラントには歯茎を健康に保つための光線療法機能も備えられており、内臓バッテリーは日々の口の動きや歯磨きから充電することが可能とのこと。

2) ヘルスケアソフトウェア開発プラットフォームを提供するCommure社、$500M(約557億円)の資金調達を実施

ヘルスケアソフトウェア開発プラットフォームを提供するCommureが、General Catalyst(トップVC)、HCA(米民間病院グループ最大手)等 から$500Mの資金調達(Series D)を行った(企業価値$3.5B)。同社は、システム企業、スタートアップ、医療機関グループ等に対して、FHIR対応のAPIプラットフォーム等を提供しており、システム・データ連携をサポート。IT担当者は、コアなソフトウェア開発に集中でき、より早期に、開発・ローンチを進めることが可能となる。

記事提供者
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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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