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【連載】北米イノベーション最前線 ヘルスケアニュース from Silicon Valley⑤

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目次

【私たちが想像するヘルスケアの未来は、少しずつ現実となっている。そんな北米の最新ヘルスケアイノベーション情報を定期的にお届け致します。】

米国で長らく続いてきたオピオイド(ケシの実から生成される麻薬性鎮痛薬及び合成鎮痛薬の総称)問題に関する各自治体の訴訟につき、先週ついに和解案が示されました。医薬品卸大手3社のMcKesson、Cardinal Health、AmerisourceBergenとJ&Jが合計260億ドルを支払う賠償案となっており、本訴訟の決着が全米で大きな注目を集めています。

1.デジタルヘルス

1) 製薬メーカー大手Merck社、Evidation Heatlh社とアルツハイマー病の早期発見・モニタリングの共同研究開始

製薬メーカー大手のMerckが、スタートアップのEvidation Healthと提携し、アルツハイマー病に関する共同研究を開始したと発表した。同プロジェクトでは、スマホアプリ、ウェアラブルデバイスから集められたデータを活用して、アルツハイマー病の早期発見・モニタリングが可能か検証する予定とのこと。Evidation Healthは、スマホアプリ・ウェアラブルデバイスのデータ連携・収集・管理を通じてライフサイエンス企業の研究開発を支援するベンチャー企業で、今年3月には、$153Mの資金調達(Series E)を実施し注目を集めいている(企業価値$1B)。

2) Ginger社、10代向けメンタルヘルスサービスの提供開始を発表    

メンタルヘルスのオンラインソリューションを提供するGingerは、新たにティーンエイジャー(13-17歳)向けのサービスを開始すると発表した。CDCのデータによると、COVID-19による子供世代のメンタルヘルスへの影響は大きく、ケアニーズが高まっている。本サービスは、Gingerを利用する企業の従業員家族が対象となり、ソリューションのリリースは2022年を予定しているとのこと。Gingerは、今年3月に$100Mを資金調達し、メンタルヘルス領域で最も勢いのあるユニコーンの一社となっている。

2.メディカルデバイス

1) J&J社の売上高がコロナ前を上回る水準まで回復

大手医療機器メーカーのJ&Jが第2Q(4-6月)の決算を発表した。売上高(医療機器事業)は、前年同期比で+62.7%(米国:同+77.2%、米国以外:同+55.3%)となっており、パンデミック以前(2019年度)を上回るレベルまで回復している。しかし、同社EVPは、経済活動再開により、COVID-19患者数は再び増加することが予想され、手術件数が再び停滞する可能性があり、流動的な状況が続くと警戒感を示している。

2) RefleXion社、テキサス州の癌治療センターへのシステム販売を発表

がん治療のための放射線治療装置を開発するスタートアップ・RefleXion Medicalが、テキサス州の癌治療センターへのシステム販売を発表した。同社が開発するRefleXion X1は、腫瘍の持つ放射線感受性などの生物学的な特性を利用し、PET(陽電子放射断層撮影法)と生物学的誘導を組み合わせた精度の高い放射線治療が特徴で、あらゆるステージのがん治療を可能にすることを目指している。同社は昨年3月にFDA承認を取得し、直後の4月に$100Mの資金調達(シリーズD)に成功しており、注目を集めていた。

3.ヘルスケア

1) TMRW Life Science社、$105M(約115億円)の資金調達を実施

対外受精(IVF)の自動化プラットフォームを開発するTMRW Life Sciencesが、Google Ventures、8VC、Peter Thiel等の著名VC・投資家等から$105Mの資金調達(Seires C)を実施した。世界で約15%の夫婦・カップルが、不妊に悩んでいるとされる中、IVFのニーズが高まっており、冷凍保管する受精卵・胚が急増している一方、医療機関では、アナログ作業・管理が続けられている。同社は、RFIDやロボット技術等を活用し、IVFプロセスに於ける受精卵・胚の冷凍保管、トラッキング、モニタリング等の自動化を進め、不妊治療の質の向上と効率化を目指している。

2) 新型コロナ感染拡大により変化した臨床試験の在り方  

COVID-19により、医療機器の臨床試験を取り巻く状況が1年間で大きく変化している。専門家等によると、臨床試験を継続するためにデジタル技術を取り入れた結果、患者モニタリングの精度が高まり、データ品質が向上したとのこと。また、患者・被験者の移動時間と費用に係るコストが削減された他、データ共有に関するソリューションが進歩し、EMR(電子カルテ)や患者情報等のデータ共有が容易になったとしている。今後、経済活動再開が進むものの、臨床試験はオンサイトと遠隔のハイブリッド型が継続されると見られている。

記事提供者
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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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