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【連載】北米イノベーション最前線 ヘルスケアニュース from Silicon Valley⑧

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目次

【私たちが想像するヘルスケアの未来は、少しずつ現実となっている。そんな北米の最新ヘルスケアイノベーション情報を定期的にお届け致します。】

8月9日から13日にラスベガスに於いて、世界最大級のヘルスケアITカンファレンスであるHIMSSがパンデミック以降、初開催されました。ワクチン接種証明の為のデジタルヘルスタグ(参加者は2回のワクチン接種が必須)や、マスク着用・ソーシャルディスタンスルール等、しっかりと対策が取られた中での開催となりました。デルタ株の影響もあり、例年と比べ、半分程度の規模感ではありましたが、18,000人・700社が会場に出向き参加。コロナ禍に於ける病院デジタル化の取組等も紹介されました。

1.デジタルヘルス

1) 臨床検査最大手Labcorp、Femtech領域*の事業強化を狙う(*Femtech; 女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できるサービス)

臨床検査最大手のLabcorpは、産婦人科領域でデジタルヘルスツールを展開するOvia Healthを買収したと発表した。Ovia Healthは、妊活から産前・後ケア、育児までをサポートするベンチャー企業で、アプリを通じて、オンデマンド・コーチングや健康コンシェルジュサービス、管理・教育ツールの提供等を行う。同アプリは、これまで世界中で、1,500万世帯に活用されているとのことで、Ovia Healthの年間売上高は約$20Mとのこと。Labcorpは、自身の産婦人科関連の臨床検査サービスとOvia Healthのアプリを組み合わせることで、Femtech領域の事業強化を狙う。

2) 医療保険会社大手Aetna、オンライン診療を組み込んだ企業向け保険プランの全国展開を発表    

CVS Health傘下の医療保険会社・Aetnaが、オンライン診療最大手のTeladocと提携し、Teladocによるプライマリケア・オンライン診療を組込んだ企業向け保険プランを新たに全国展開すると発表した。経済再開に伴いオンライン診療の利用率はピーク時から比べ下がっているものの、医療費抑制に向け、医療保険各社は、デジタルヘルス企業との連携を深めている状況。他方で、医療保険最大手のUnited Healthの様に、デジタルヘルス企業と提携するのではなく、自らオンライン診療等のソリューションを開発・提供し、"Direct-to-Consumer"を進める企業もあり、今後の各社の動向に注目が集まっている。

2.メディカルデバイス

1) 婦人科手術ロボットを開発するスタートアップMemic Innovative Surgery、SPAC上場

婦人科手術ロボットを開発するスタートアップMemic Innovative Surgeryが、SPAC上場することを発表した。同社は本年2月に、低侵襲な経膣アプローチでの卵管卵巣摘出術及び良性子宮摘出術を支援する手術ロボット「Hominis Surgical System」のFDA承認を取得し、注目を集めていた。上場により、同社は約$360 Mの資金を調達し、上場時の企業価値は$1Bを超える見込み。今後は、米国でのHominisの上市に加え、結腸、直腸、胸部、その他の手術アプリケーションを追加していく予定とのこと。

2)  ハンドヘルド型超音波診断装置のパイオニア、AIソフトウェア開発のスタートアップとの連携を発表

ハンドヘルド型超音波診断装置のパイオニアであるButterfly Networkが、超音波診断のためのAIソフトウェアを開発するスタートアップCaption Healthとの提携を発表した。Caption Healthが開発する「Caption AI」は、AIによって術者の超音波診断デバイスの操作をナビゲーションするソフトウェアであり、初心者にも操作が容易になることで注目を集め、2020年7月には$53Mの資金調達(シリーズB)に成功していた。Butterflyは、本提携により、特に心臓領域の診断機能を強化する狙いがある。

3.ヘルスケア

1) 医師向けのSNSサービスDoximity、上場後初の四半期決算で好調な滑り出し 

医師向けのSNSサービスであるDoximityが、今年6月に上場(時価総額$15B)してから、初の四半期決算(2021年4月-6月)を発表し、売上が前年同期比約2倍となる$72.2M、純利益が$26.3M(利益率36%)と、好調をアピールした。同SNSは“LinkedIn For Doctors”と言われており、医療従事者向けのコミュニケーションツールとしてだけでなく、医療ニュースや就職情報等のパーソナライズされた情報の他、オンライン診療ツールを無料で提供。製薬・医療機器メーカー等からの広告収入で収益を上げている。同社は全米の医師の約80%が加入し、ナースプラクティショナー(診療看護師)等も含めると180万人ものユーザーを抱えている。

2) HIMSS21(世界最大のヘルスケアIT学会)開催 

HIMSS21(世界最大のヘルスケアIT学会)が、パンデミック後初となるAnnual Conferenceをラスベガスで開催。コロナ以前と比べ半分程度の規模感ではあるものの、24,000人(オンライン参加6,000人)、700社が参加した。医療機関の講演内容としては、サイバーセキュリティ、リモートモニタリング、データ共有・連携、デジタルフロントドア(患者向けワンストップアプリ)といった、COVID-19により急速にニーズが高まっている領域の事例紹介が目立った。また、開催期間中、HIMSSが、医療機関の為のデジタルヘルスに関するナレッジシェア&ネットワーキングアプリ「Accelerate」のローンチを発表した他、参加企業各社がヘルスケアIT関連の新事業を発表し注目を集めた。

記事提供者
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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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