医療に携わる
あなたの仕事を効率化

【連載】北米イノベーション最前線 ヘルスケアニュース from Silicon Valley⑨

アイキャッチ画像
目次

【私たちが想像するヘルスケアの未来は、少しずつ現実となっている。そんな北米の最新ヘルスケアイノベーション情報を定期的にお届け致します。】

週末に大手医療機器メーカーのBaxterがHillromの買収に向け協議を進めているとの報道がございました。実現すれば、Medtech領域に於いて、6月のMedline買収のニュースに続く大型M&A案件となり、注目が集まっています。

1.デジタルヘルス

1) 瞑想アプリのHeadspace社とオンデマンド・メンタルヘルスセラピー大手のGinger社合併

瞑想アプリのHeadspaceとオンデマンド・メンタルヘルスセラピー大手のGinger が合併すると発表した。本合併によりメンタルヘルスサービスのメニュー強化を図る方針。2社合計で、契約企業・保険2,700社、利用者数1億人、企業価値$3B、従業員数800人に上る。また、先週は、オンライン診療クリニック大手のK Healthも、Trusst(メンタルヘルスアプリ)を買収し、同領域へ事業進出すること発表。COVID-19を背景にメンタルヘルスへの注目度が増しており、デジタルヘルス分野のベンチャー投資では、最も投資が活発な診療領域となっている(2021年上半期:$1.5B)。

2) Alphabet傘下のVerily社、Mayo Clinicと連携し循環器領域の医師AIツール開発を進めると発表  

Alphabet傘下のヘルスケアテック企業Verilyが、Mayo Clinicと提携し、診断支援AIソリューションの開発を進めると発表した。詳細は明らかにされていないが、2年間のプロジェクトで、循環器領域の医師向けAIツールを開発するとしている。医師に対して、診療上、必要となる患者検査データを引用元情報と共に自動で表示し、推奨アクションを提示するAIツールを想定しているとのこと。開発には、Mayo Clinicの持つ患者データ(匿名加工)を活用する。本プロジェクトとの関連性は明らかにされていないが、Mayo Clinicは、Verilyの姉妹会社であるGoogleとAI・分析ツールの開発を目的としたGoogle Cloud活用につき10年間の長期契約を締結している。

2.メディカルデバイス

1) Zimmer Biome社とCanary Medical社、世界初の「スマートインプラント」のFDA承認を発表

整形外科大手のZimmer Biometと、体内埋め込み型センサーを開発するCanary Medicalが、世界初の「スマートインプラント」である「Persona IQ 人工膝関節」のFDA承認を発表した。同製品にはセンサーが内蔵されており、膝関節の可動域、歩数、歩行速度、その他の歩行指標を測定し、患者自身にデータ共有された後、クラウドを通じて医療従事者に情報共有可能。これにより、医療従事者は患者の術後の回復状況やリハビリのリモートモニタリングを行うことが可能。同領域では同じく大手のStrykerも、スマートインプラントの開発に注力しており、今後、整形外科領域に於いて、大きなトレンドになると見られている。

2)  FDA、MicroTransponderの脳卒中リハビリシステムを承認

FDAが、MicroTransponderの脳卒中リハビリシステムを承認したと発表した。薬剤を使用しない治療機器としては同領域で初のFDA承認となる。製品名は「Vivistim System」であり、虚血性脳卒中患者の頭部に埋め込むことで、患者の迷走神経を電気によって刺激し、中等度から重度の四肢の運動機能不足を軽減する。更に、同製品のソフトウェアとワイヤレスデバイスを繋ぎ、電気刺激の設定やデータアクセスが可能とのこと。

3.ヘルスケア

1) 緊急時対応など医療領域におけるドローン活用の検討が進む 

医療領域に於けるドローンの活用につき、業界内で様々な検討が進められている。先週、スウェーデンの研究者等が、緊急時にドローンでAEDを運ぶことで、救急車よりも早く現場に到着することが可能とのトライアル結果を発表。血液・臓器の輸送や、アナフィラキシーショック時のアドレナリン輸送等、幅広い活用方法が検討されている。緊急時での利用以外にも、Zipline(ドローンベンチャー)による僻地へのコロナワクチン輸送や、Walgreens(大手薬局チェーン)とWing(Alphabet傘下のドローンベンチャー)による商品配送のパイロットの他、オンライン診療での活用等、様々なユースケースを想定した検討が行われている。

2) Baxter社、医療用ベッドや患者モニタリング機器の大手メーカーであるHilrom社の買収に向け事前協議中

BaxterがHillromの買収(約$10B)に向け事前協議中であると報道された。Hillromは医療用ベッドや患者モニタリング機器の大手メーカー。近年は、一連の医療プロセスを、ウェアラブル、遠隔モニタリング、ヘルスケアアプリ等によって繋ぐデータ連携技術の開発に注力している。一方Baxterも、医療DX及びIoTテクノロジーによる医療データ共有「コネクテッドヘルス」に注力しており、同報道では、特に買収による輸液ポンプ事業での相乗効果を見込んでいるとしている。

記事提供者
記事提供者
エム・シー・ヘルスケア株式会社

コトセラやサービスのことなど、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら