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【連載】北米イノベーション最前線 ヘルスケアニュース from Silicon Valley ⑲

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【私たちが想像するヘルスケアの未来は、少しずつ現実となっている。そんな北米の最新ヘルスケアイノベーション情報を定期的にお届け致します。】

アメリカでは、2022年よりドローンによる医薬品等の配送ビジネスが開始されるという発表がありました。ルワンダやガーナ等、アフリカ大陸内での累計1,500万マイル以上の飛行実績をベースに、いよいよアメリカ都市部での活用が本格化します。

 日本におけるドローンの活用については、現在離島や山間部の住民に対する遠隔治療という視点で研究や実験が進んでおり、2020年に五島市とANAホールディングス等が、遠隔治療の一部として「ドローンによる処方薬の配送」の実験を、レベル3(目視外飛行・補助者なし)において日本で初めて成功させました。2021年6月には厚生労働省から都道府県へ「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」の通知もあり、日本でも今後さらなる実証実験が進むことが予想されています。

1.デジタルヘルス

1) 米Times誌が「The 100 Best Inventions of 2021」を発表    

米Times誌が今年の「The 100 Best Inventions (発明)」を発表した。数々の興味深い製品・テクノロジーが並ぶ中、ヘルスケア領域では、コロナ関連(ワクチン・検査キット)に加え、デジタルヘルス関連のソリューションが目立った。ヘルスケア領域で選ばれたものは次の通り:医療動画プラットフォーム(GIBLIB)、超音波エコーのAIガイド(Caption AI)、ステントによるBMI(脳マシンインターフェイス)(Synchron)、慢性疼痛・運動障害患者向けバーチャルクリニック(Abbott)、認知症早期スクリーニングテスト(Linus Health)、在宅トレーニング(Tonal)、搾乳ウェアラブルデバイス(Elive Stride)、スマートピルケース(emme)、コンパクト車椅子(Revlove Air)、医療従事者用スニーカー(Clove)、コロナワクチン、コロナセルフテストキット等。

2) Truveta社がアメリカの今を反映するRWDプラットフォーム設立に向かって前進  

昨年、米国の約20のメガヘルスシステム(大規模医療機関グループ)により共同設立されたヘルスケアデータスタートアップTruvetaが、$100Mの資金調達を行ったと発表した。今年7・9月に続き3度目・累計$200Mの資金調達となる。上記メガヘルスシステムは、現在、米国42州に於いて合計で数千もの医療施設を運営しており、保有する治療データは全米の16%を占めるとされる。同社は、9月にMicrosoftと提携し、Azureベースでのデータプラットフォームの開発を進めている。ソリューションの中身は未だ明らかになっていないが、業界初となる病院主体でのRWDプラットフォームとして同社の動向に注目が集まっている。

RWD:リアルワールドデータ(日常診療における診療記録等のデータ)

2.メディカルデバイス

1) Alcon社が眼科手術デバイスを開発するIvantis社を$475M(約540億円)で買収予定     

眼科領域大手のAlconが、同じく眼科手術デバイスを開発するIvantisを$475Mで買収すると発表した。Ivantis社が開発する低侵襲緑内障手術デバイス「Hydrus Microstent」をシュレム管(角膜の周囲を取り囲む輪状の管)内に設置することで、眼内から房水(眼球の形状を保つための体液)及び老廃物を排出しやすくなり、緑内障の一般的な症状である眼圧の異常上昇を改善することが可能となる。Alconは、Ivantisと同様の緑内障治療ステントデバイス領域に参入を試みて、医療安全上の理由から撤退した過去があり、本買収によって同領域に再参入することとなる。

2) AppliedVR社が健康状態をサポートするVRプラットフォーム拡大のため$36M(約41億円)を資金調達

VRゴーグルを利用した治療プラットフォームを開発するApplied VRが、$36Mの資金調達(Series B)を行った。同社は、VRゴーグルを装着した患者を独自のバーチャル空間に没入させることによって、痛みを緩和させる治療法を開発しており、出産時の陣痛や火傷、がん治療等、あらゆる痛みを対象としている。また、同社は、医療機関のGeisingerおよびCleveland Clinicと協力し、米国のオピオイド問題に取組むべく、臨床試験を実施している。メタバース(コンピュータネットワークの中に構築された現実世界とは異なる仮想空間やそのサービス)が流行しつつある中、医療業界でも同社の様なVRを活用したデジタル治療領域や医療プランニング、トレーニング等に注目が集まっている。

3.ヘルスケア

1) ヘルステック企業のColor社がパンデミック後のヘルスケアサービス構築のため$100M(約114億円)を資金調達

感染症・遺伝子テストキット等を展開するColorが、$100Mの資金調達(Series E)を実施した(企業価値:$4.6B)。COVID-19のPCR検査ソリューションでは、多くの大企業・大学・学校と提携しており、全国6,500の検査施設と連携している。シリコンバレーでは、スタンフォード大学と提携しており、毎週、学生・教員が自身で検体採取(鼻腔スワブ)し、校内の各地に設置されたDrop Boxに投函⇒回収・解析⇒結果通知(アプリ)を行っている。同社は、本資金を活用し、今後、インフルエンザワクチン接種や血圧測定等、サービス領域を拡大する方針。 

2) サンフランシスコのドローンスタートアップがソルトレイクシティで自宅への医薬品配送ビジネスを開始予定

米ドローンスタートアップのZiplineが、大手病院グループのIntermountain Healthcareと提携し、2022年から米国内(ユタ州ソルトレイクシティ)でドローンによる医薬品等の配送ビジネスを開始すると発表した。ソルトレイクシティ市内では一日当たり数百件の配送が見込まれるとのこと。同社の飛行機型ドローンは人工衛星による自動操縦によって自立飛行する仕組みとなっており、2016年に既にルワンダやガーナで医療材料・医薬品の配送ビジネスを開始し、アフリカ大陸内で累計1,500万マイル以上飛行。数十万回分のCovid-19ワクチンを配送した実績を持っている。本年の6月には$250Mの資金調達(Series E/企業価値:$2.75B)を実施し話題となった。


記事提供者
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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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