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【連載】北米イノベーション最前線 ヘルスケアニュース from Silicon Valley ⑭

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目次

【私たちが想像するヘルスケアの未来は、少しずつ現実となっている。そんな北米の最新ヘルスケアイノベーション情報を定期的にお届け致します。】

ヘルスケアイノベーション関連のサービスが続々と誕生しているアメリカでは、今回の記事にも出て来る医療機関向けDXツールのマーケットプレイス「The Graphite Health Marketplace」の様な、医療機関等のユーザーがより良いサービスを選び、導入するための支援サービスが増加している。医療ベンチャーの増加が著しい日本国内においても、膨大なサービスからいかにそれぞれの医療機関にあったものを選び、導入できるかという視点が今後重要になってくると考える。

1. デジタルヘルス

1) オンラインヘルスコーチのユニコーン企業であるBetterUP社が、SeriesEで$300M(約340億円)の資金調達を実施

オンラインヘルスコーチのBetterUpが、$300Mの資金調達(SeriesE)を実施。コロナ禍でBehavioral Health(健康保健学)のニーズが急拡大する中、SeriesDから僅か7ヵ月で企業価値は約2.7倍の5,300億円に成長した。同社は、雇用主・個人向けにソリューションを提供。メンタルヘルス、睡眠、食事といったよく見られるBehavioral Health関連のコーチングに加え、子育て、ダイバーシティ&インクルージョン、ビジネスコミュニケーション、営業といった働く世代にとって必要となる幅広いBehavioral(行動)コーチングメニューを揃えている。

2) Elemy社がSoftBank Vision Fund から$219M(約250億円)の資金調達を行い、ユニコーン企業の仲間入りを果たす

自閉スペクトラム症ABAセラピー(行動療法)を専門にオンライン・在宅サービスを展開するElemyが、SoftBank Vision Fundから$219Mの資金調達を行い、新たにユニコーンの仲間入りを果たした(企業価値:$1.2B)。Elemyは、同資金を活用し、サービス提供地域を拡大すると共に、他の小児向けBehavioral Healthツールの研究開発に取組む方針。これまで、大人向けのBehavioral Healthツールが先行し、小児向けはニーズが高いとされながらも開発が遅れていたが、今年に入りGiger、Brightline等デジタルヘルス各社が、相次ぎ同領域への参入表明をしている。

2. メディカルデバイス

1) Boston Scientific社、Baylis Medical社を$1.75B(約1990億円)で買収する意向

Boston Scientificが、心臓疾患治療デバイスを開発するカナダのBaylis Medicalを$1.75Bで買収すると発表した。Baylisは、主に心房中隔及び左心関連の治療デバイスに強みを持つ。過去5年は、毎年2桁成長を続けており、2022年の売上は$200Mを見込んでいるとのこと。Bostonにとって、今回の買収は、今年5件目/計$4.4B(1月:Preventive Solutions/$925M、3月:Lumenis外科部門/$1.07B、6月:Farapulse/$295M、9月:Devoro Medical/$336M)となり、今後もM&A戦略を推し進めていくと見られている。

2) Medtronic社の外科用手術ロボット「Hugo」がCEマークを獲得し、Intutive社との直接対決に備える

Medtronicは、外科用手術ロボット「Hugo Robotic-Assisted Surgery System」のCEマークを取得したと発表した。今回承認を得た手術領域は婦人科及び泌尿器科であり、欧州市場に於いて、先駆者であるIntuitive Surgical(DaVinci)との競争がいよいよ本格的に始まるものと見られている。一方、米国に目を向けると、Hugoが2022年後半にFDA承認見込、J&J手術ロボット「Ottava」が2022年後半に臨床試験開始予定、Vicarious Surgical が2023年にFDA申請予定とのことで、暫くはIntuitiveの独占状態が続くと見られている。

3. ヘルスケア

1) Intermountain社、Presbyterian社、SSM Health社が、新しく医療機関のDX支援企業を設立

医療機関グループのIntermountain、Presbyterian、SSM Healthが、医療機関のDX支援企業・Graphite Health(非営利)を立ち上げた。医療機関グループの共通データプラットフォーム「The Graphite Health Platform」(電子カルテ・フォーミュラリー・保険・医師データ)を構築することで、より簡単且つスピーディに新たなソフトウェアを導入・連携できるようにする。また、医療機関向けにDXツールのマーケットプレイス「The Graphite Health Marketplace」を展開する方針としており、興味深い。既に二桁の医療機関グループがGraphite Health参画につき関心を示しているとのこと。

2) 糖尿病等の慢性代謝性疾患治療/予防ソリューションのTwin Health社が、$140M(約160億円)の資金調達を実施     

糖尿病等の慢性代謝性疾患治療/予防ソリューションを開発するTwin Healthが、$140Mの資金調達(Series C)を行った。同社が開発する「Whole Body Digital Twin」プラットフォームは、持続血糖モニタリング(CGM)、腕時計型ウェアラブルデバイス、血液検査等による患者個々の医療データを、AI分析し、更にデジタルツイン(仮想空間で現実空間を再現する技術)として可視化することが可能。これにより、患者固有の複雑な代謝状況を可視化/予測することができ、代謝障害を引き起こす外的要因(栄養、睡眠、活動、ストレス)について適切なコーチングを行うことが可能となる。本年の米国糖尿病学会に於いて、同社ソリューションの良好な効果が発表されており、注目を集めている。    


記事提供者
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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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