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【連載】北米イノベーション最前線 ヘルスケアニュース from Silicon Valley ⑮

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目次

【私たちが想像するヘルスケアの未来は、少しずつ現実となっている。そんな北米の最新ヘルスケアイノベーション情報を定期的にお届け致します。】

北米に留まらず昨今の日本においても、医療システムのプラットフォーム化は大きな注目を集めており、地域医療の視点から、さらなる取り組みが期待されています。地方の中核病院を中心にした複数病院では、デジタルヘルス・エコシステムへのファーストステップとして、電子カルテや画像データ保管等のシステムの統一を試みるケースも見受けられるようになってきました。

これから病院DXを進めるにあたっては、各病院の業務効率化はもちろん、地域の他病院との連携という視点が大変重要となります。どの病院がどんなシステムを使用しているか等、今まで以上に密な情報共有が必要になってくるでしょう。


1. デジタルヘルス

1) Best Buy社がCurrent Health社を買収、在宅医療領域へより注力

米家電量販店大手のBest Buyが、リモート患者モニタリング用のウェアラブルデバイス・アプリを開発するCurrent Healthを買収した。Current Healthは、病院利用・在宅医療利用ともにFDA承認を取得しており、大手医療機関では、Mayo Clinic、Baptist Health、Geisinger、NHS等が採用している。同社は、Best Buy Healthを立上げ、遠隔医療、救急医療、介護・高齢者支援領域に注力するとしており、同社が買収したヘルステック企業は本件で3社目となる。近年、巨大テック・リテイル企業(FAMGA+Walmart)によるヘルスケア参入が目立ってはいるが、Best Buyの様な「Middle Children」と呼ばれるその他大手企業も水面下でヘルスケアの取組みを進めており、各社の動向は、今後要注目である。

2) フィットネス業界の回復にあわせて、Mindbody社がフィットネス・マーケットプレイスのClass Pass社を買収

ウェルネスプログラムの予約アプリを展開するMindbodyが、フィットネス・マーケットプレイスのClassPassを買収したと発表した(買収金額未公表/Class Passは今年1月時点で企業価値$1B)。また、Mindbodyは、$500Mの資金調達を実施することも発表。海外展開と企業雇用主向けソリューション強化に取組むとしている。同社は、ウェルネス業界のOpenTable(レストラン予約プラットフォーム)と呼ばれており、Fitnessの他、Beauty(美容室、スパ等)領域もカバーしている。利用者は、ウェブ又はアプリ上で、サービス検索、レビュー確認・投稿、予約、支払等を実施することが可能。

2. メディカルデバイス

1) Hologic社がBolder Surgical社を、$160M(約182億円)で買収予定

Hologicが、内視鏡手術器具を開発するスタートアップのBolder Surgicalを$160Mで買収することを発表した。Bolder Surgicalは、腹腔鏡下で使用する細径(5mm)の血管シーリング(圧着+分断+止血)デバイス「CoolSeal TRINITY」や、超細径(3mm)の血管止血デバイス「CoolSeal Mini」等を開発しており、主に小児科領域で大きな注目を集めていた。Hologicは自社が強みを持つ婦人科領域にこの技術を応用し、細径腹腔鏡ビジネスを強化することが狙いとのこと。

2) FDAがVarian社の塞栓療法機器を、画期的医療機器指定に認定     

FDAが、変形性膝関節症の新たな治療法として、Varian(現Siemens Healthineers傘下)が開発する「Embozene Microspheres(血管塞栓ビーズ)」に対し、Breakthrough Device Designation(画期的医療機器指定)に認定した。Embozeneは既に血管性腫瘍、動静脈奇形、子宮筋腫、および良性前立腺肥大症の治療(血管塞栓術)でFDAの承認を得ているが、今回の認定は膝状動脈塞栓術(GAE)に対するものとなる。膝関節周囲組織への血流を減らし、炎症過程を制限できるとのことで、米国で1,400万人が苦しんでいると言われる同疾患の新たな治療法として注目されている。

3. ヘルスケア

1) GHX社がExplorer Surgical社を買収、より患者に近いサービスを提供     

医療流通EDIを展開するGHX(Global Health Exchange)が、病院向けに手術リモート立会い・デジタル手技手順書等の手術支援ソリューションを提供するExplorer Surgicalを買収したと発表した。Explorer Surgicalは、医療機器メーカーと連携し、デバイスのデジタル使用手順書を画像等で分かりやすく作成しており、医療従事者が手術中にモニター等で確認することができる。GHXは、これまで、医療流通領域のDXを通じて、病院・メーカー双方のコスト削減に取組んできた。同社は、Explorer Surgicalを活用し、病院に於ける手術アウトカム改善を図るとともに、病院・メーカー間のムダな遣り取り、立会い回数を減らし、コスト削減に繋げる狙いがあると見られる。

2) Walgreens社が医療クリニックチェーンのVillage MD社に$5.2B(約5,910億円)の追加出資を行い子会社化     

米ドラッグストアチェーン大手のWalgreensが、2019年4月より出資・提携している医療クリニックチェーン・Village MDに対し、$5.2Bの追加出資・子会社化(持分比率63%)することを発表した。現在、両社は52箇所のドラッグストア+プライマリケア診療所を運営しており、2021年末までに80箇所以上に増やす予定。更に、2025年までに少なくとも600箇所、2027年までに1,000箇所にする計画を発表している。WalmartやCVSもクリニック事業を推進しており、リテイル大手による医療事業強化が進んでいる。


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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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