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【連載】北米イノベーション最前線 ヘルスケアニュース from Silicon Valley ⑰

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目次

【私たちが想像するヘルスケアの未来は、少しずつ現実となっている。そんな北米の最新ヘルスケアイノベーション情報を定期的にお届け致します。】

コロナを背景に、今まで病院やクリニックに行って受けるのが当たり前だった医療行為を、在宅で行う為のソリューション「At-home Hospital」の開発に各社が取り組んでいます。その中でも遠隔リハビリは最も注目を集める領域の一つです。今年に入り二度目となる大型の資金調達を先週行ったHinge Healthの他、Kaia HealthやSword Health等の注目スタートアップやOmada等の大手遠隔診療企業が、同領域に於いて事業展開を進めており、大きなトレンドとなっています。
日本においては、昨年より一部の病院でオンライン遠隔リハビリサービスの試験導入が始まりました。現在は、患者が動画を視聴しながら自分でリハビリを行うといった方法が多く、ウェアラブルデバイスを活用した正しい姿勢・動作の確認やフィードバック等、次のステージへ向けて開発が進められているようです。一時期売り切れ続出となったカラダと連動するフィットネスゲームを想像すると、日本の遠隔リハビリ分野も更なる進化が期待できるかも知れません。


1. デジタルヘルス

1) Hinge Health社が、Coatue社とTiger Global社から$600M(約682億円)の資金を調達し、企業価値$6.2B(約7048億円)となる

遠隔リハビリソリューションを展開するHinge Healthが、$600M(Series E)の資金調達を実施した(企業価値:$6.2B)。今年1月のSeries D($300M)から約10ヵ月での大型資金調達となる。患者が、胸部・足・腕等に同社のウェアラブルデバイスを装着することで、理学療法士は、遠隔で正しいリハビリ姿勢・動作が取れているか確認することができ、適切な指導が可能となる。また、同社は、今年9月に動作トラッキング技術を持つWrnchを買収しており、モーションキャプチャーによる遠隔リハビリモニタリング・指導も可能となっている。

2) Amazonが、スマートスピーカーAlexaを、病院・介護施設向けのサービスに活用

Amazonは、スマートスピーカー・Alexaを活用した病院・介護施設向けの新サービスを発表した。Alexa Smart Propertiesと呼ばれる施設事業者向けのサービスメニューに医療・介護が加わり、施設でのAlexa導入・運用をサポートする。既に、病院では、Boston Children's、Cedars-Sinai、BayCare、介護施設では、Atria、Exkatonが導入を決めているとのこと。病院では、ベッドサイドにAlexaを設置し、患者・医療従事者間のコミュニケーションを円滑化することで、PX、業務効率の改善を図ることが可能。また、介護施設では、高齢者・介護者間のコミュニケーションに加え、部屋の温度・照明コントロールやニュース・音楽等、日常に於ける幅広い活用が想定されている。

2. メディカルデバイス

1) Zimmer Biomet社が新しいZBEdgeの機能として、複合現実(VR+AR)ソリューションであるOptiVuを追加

整形外科メーカー大手のZimmer Biometが、同社の手術ロボット「Rosa」のデジタルサポートテクノロジーであるZBEdgeに、新たな機能を追加した。特に複合現実(VR+AR)ソリューションであるOptiVuは、Microsoftのスマートグラス・HoloLensを使用することで、①手術器械の組み立て及び手術ステップのガイド、②患者の関節の可動域や動作のバランス評価、③術者のナビゲーションが可能となり、話題を集めた。更に先週は、脊椎外科メーカー大手のNuVasiveもVRベースの手術トレーニングを上市しており、整形外科領域に於けるVR・ARテクノロジーの活用に大きな注目が集まっている。

2) 医療機器業界の回復を妨げる3つの課題:医療スタッフ不足・サプライチェーンの逼迫・インフレーション     

医療機器業界が、COVID-19から業績回復するに当たって重要となる3つの課題が挙げられている。①医療スタッフ不足:手術スタッフが不足していることにより、手術件数(特に非緊急性手術)が削減されており、業界全体の回復を抑制している。②サプライチェーン問題:医療機器の原料(特に半導体や樹脂)の不足により、製品の供給が追いつかないケースがある。また、民間に頼った配送サービスが大きな影響を受けており、その脆弱性を露呈している。③インフレによるコスト上昇:②によって生産コスト及び供給コストが上昇しており、結果的に製品価格の上昇に繋がっている。

3. ヘルスケア

1) 在宅プライマリケアサービスのスタートアップPatina Health社が、$57M(約65億円)の資金調達を実施

デジタル技術を活用した高齢者向け在宅プライマリケアサービスの開発を進めるPatina Healthが、ステレスモードから脱し、Andreesen HorowithzやGV等のTop Tier VCから$57Mの資金調達(Series A)を行ったと発表した。従来のオンライン診療との差別化要素について、まだ多くは明らかにされていないが、同社CEOは、Eden Health(オンライン診療大手)、Haven (Amazon・JP Morgan、Berkshire HathawayによるヘルスケアJV)、Accolade等の経営幹部を歴任したJack Stoddard氏で、今後の取組みに注目が集まっている。

2) DentalMonitoring社は$150M(約171億円)の資金調達に成功し、グローバル展開へ     

歯科用ソフトウェア企業のDentalMonitoringが、$150Mの資金調達(Series B)に成功し、ユニコーン企業の仲間入りを果たした(企業価値:$1B)。同社のソリューションは、スマホのカメラに装着したデバイスによって口腔内を撮影し、AI画像分析により、歯の治療や歯科矯正の遠隔モニタリング・ケア指導を行うことができる。更に、同社は歯科医向けの仮想診療空間も提供しており、歯科業界のワークフローの効率化を目指している。尚、今回調達した資金は、米国での拡販に加え、日本や中国への事業参入にも使用される予定とのこと。


記事提供者
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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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