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【連載】北米イノベーション最前線 ヘルスケアニュース from Silicon Valley ㉑

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目次

【私たちが想像するヘルスケアの未来は、少しずつ現実となっている。そんな北米の最新ヘルスケアイノベーション情報を定期的にお届け致します。】

米国では、COVID-19オミクロン株が、大きな懸念材料となっております。Thanksgiving Day(11月25日)前後は、例年Black FridayやCyber Monday等の影響もあり、株価が上昇する傾向にありますが、オミクロン株への懸念から米国株価は大きな落ち込みを見せました。一方で、ZoomやNetflix等の在宅ソリューションは株価が上昇。在宅×ヘルスケア領域でも、Teladoc(遠隔診療)やPeloton(遠隔フィットネス)株が一時好転の兆しを見せています。日本でも、遠隔診療領域の活況は続いています。COVID-19の時限的・特例的な要件緩和(初診からのオンライン診療)をきっかけに、既存の大手携帯電話事業者がオンライン診療システムを提供する医療ベンチャーと協業し、次々と事業を開始。既存のユーザーを多数保有する企業の参入により、日本におけるオンライン診療の広がりが、より加速していくと思われます。

1.デジタルヘルス

1) Pear社が、アルコール依存症治療アプリでFDAの「Breakthrough Device Designation」を獲得     

デジタル治療アプリを開発するPear Therapeuticsは、アルコール依存症治療アプリ「reSET-A」が、FDAのBreakthrough Device Designationに認定されたと発表した。画期的なソリューションと認められ、同カテゴリに指定されると、FDA承認に向け優先的な審査・手続きが受けられる等のメリットがある。同社は、デジタル治療(PDT)として初めてFDA承認を取得したことでも知られる。同社は、既にreSET(物質使用障害)、reSET-O(オピオイド使用障害)、Somryst(慢性不眠症)の3つのソリューションのFDA承認を受けており、現在、最も注目を集めるデジタル治療アプリ企業の一つ。今年6月にSPAC上場を行うことを発表している。

2) 患者エンゲージメント・プラットフォームのLuma Health社が、患者・医療機関間コミュニケーションの自動化を目指し、$130M(約147.8億円)の資金調達を実施

医療機関向けの患者エンゲージメント・プラットフォームを展開するLuma Healthが、$130Mの資金調達(Series C)を実施した。同社は、診療予約、問診、オンライン診療、チャット等、患者と医療機関のコミュニケーションを円滑化するシステムをワンストップで提供している(CernerやEPIC等の各種電子カルテと連携可能)。チャットボットやボイスボットを活用したAIコンシェルジュ機能にも注力しており、医療機関は事務業務の自動化を図ることができる。過去3年での事業成長率は900%に迫り、現在、550以上の医療機関グループ等が採用しているとのこと。

2.メディカルデバイス

1) Philips社が、AI搭載MRIとスペクトラル検出血管造影CTソリューションを発表   

Philipsが、現在開催中のRSNA(北米放射線学会)2021学術集会で、2種類のAI搭載「スマートMRI」を発表した。同装置はAIによって画像取得・診断を高速化させており、更に、MRI診断の経験が少ない医師でも撮影から診断までAIによってサポートし、工程を効率化できるような仕組みを構築している。更に同社は、心臓血管手術に於けるリアルタイム血管造影診断装置とスペクトラル検出CT撮影を組み合わせた、世界初の「スペクトラル検出血管造影CTソリューション」も同学会で披露した。

2) Robocath 社が、フランスにおいて手術ロボットによる初の頸動脈ステント留置術に成功 

血管疾患治療の為の手術ロボットを開発するRobocathが、フランスのRennes University病院で、ロボットによる初の頸動脈ステント留置術に成功したと発表した。同社が開発する手術ロボットのR-Oneは、過去にロボットによる遠隔での経皮的冠動脈形成術(PCI)にも成功しており、今回の症例は、同ロボットによる脳血管障害(CVA:脳卒中)治療領域への機能拡大を目指すものとして位置づけられている。尚、本研究は、同社とRennes University、Philips Franceによる共同プロジェクトとのこと。

3.ヘルスケア

1) 幻覚療法がメンタルヘルスに革命を起こす可能性を秘めているが、VRはそれを加速でき得るのか    

うつ病患者は、世界で2億6,000万人以上いるとされ、抗うつ剤による効果が認められない人が約1/3程度もいると言われている。そんな中、画期的なメンタルヘルスの治療方法として急速に研究が進むのが、Psychedelic Therapy(幻覚療法)である。幻覚剤の処方による治療のことを言い、例えば、米国では、早期且つ高い治療効果が見込まれるとの研究結果から、これまでパーティドラッグとも呼ばれてきたシロシビン(マジックマッシュルーム)やMDMAの活用が注目されている。オレゴン州では、昨年、米国初の合法化が決定され、運用開始に向け検討が進んでいる。また、メンタルヘルス領域ではVRを活用した治療にも効果が期待されており、多くのスタートアップが治療プログラム開発に取組んでいる。最近では、幻覚療法とVRを組合せたソリューション開発も見られ、今後のメンタルヘルス治療の動向が注目される。

2) Medtronic社の直近決算から見る4つの重要点

Medtronicが、同社のFY2022第2Q(2021年7-10月)の決算を発表した。売上高は、約$7.8Bであり、前年同期比約2%増と、伸び悩んでいる様子。同社業績に関するGeoff Martha CEOインタビューのTakeawayは以下の4点。①世界的な、特に米国での医療スタッフ不足による待機手術の減少に伴う売上減、②サプライチェーン問題による手術ロボット「Hugo」の上市遅れに伴う売上予測の鈍化、③来年度業績は、高血圧治療手術用デバイス上市、Hugoの上市がキーポイント、④J&JやGEと同じく事業ユニットの分社化を検討中。


記事提供者
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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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