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【連載】北米イノベーション最前線 ヘルスケアニュース from Silicon Valley㉓

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【私たちが想像するヘルスケアの未来は、少しずつ現実となっている。そんな北米の最新ヘルスケアイノベーション情報を定期的にお届け致します。】

Medtronic社の手術ロボット「Hugo」が、本年10月のCEマーク取得に続き、カナダで泌尿器科および婦人科の腹腔鏡下外科手術に於ける薬事承認を取得しました。更に、米国FDAと臨床試験免除に向けた協議を進めており、米国デビューもそう遠くないかもしれません。

一方、日本でも昨今医療用ロボットの普及が進んでおります。例えば、「CorPathGRXシステム」は米Corindus社が開発した世界初の循環器におけるPCI(経皮的冠動脈形成術)の支援を行うロボットです。手技に必要なガイディングカテーテル、ガイドワイヤ、バルーン/ステントカテーテルを術野から離れた場所から遠隔操作し手技を実施することができ、本邦でも2021年春より販売を開始しております。

1.デジタルヘルス

1) メンタルヘルス・ベンチャー企業のCerebral社がSoftbank社より$300M(約342億円)の資金調達を実施し、企業価値$4.8B(約5,473億円)に 

メンタルヘルス・ベンチャー企業のCerebralが、SoftBank Vision Fund等から$300Mの資金調達(Series C)を実施した(企業価値:$4.8B)。2年前に設立されたCerebralは、米国で急速にニーズが高まるメンタルヘルス領域のワンストップショップを目指しており、現在は、うつ病・不安症・物質使用障害等の患者に対し、オンラインでのカウンセリング、セラピーから処方薬配送、フォローアップまで一気通貫でサービス提供している。米国ではセラピストの予約に数か月かかることも珍しくない中、同社は、全国で2,000名の医療従事者を雇用・提携し、オンラインでサービスを提供することで、課題解決に取組む。メンタルヘルス領域は、その注目度の高さからベンチャー投資額が急増しており、今年は、Q3までに$3.1Bもの投資が集中している。

2) 医療従事者向けAI音声アシスタントのSuki社が、技術開発推進のため$55M(約63億円)の資金調達を実施し、医療業界でのパートナーシップを拡大

医療従事者向けのAI音声アシスタントを開発するSukiが、Philips VenturesやVenrock等から$55Mの資金調達(Series C)を実施した(企業価値:$400M)。同社ツールを活用することで、医師は、書類作業に要する時間の最大76%を削減することが可能とのことで、現在、米国内の90の病院グループ、クリニック等で利用されている。他業種同様、AIアシスタントを活用しようとする動きが医療業界内でも活発化しつつあり、今年は、NotableやOliveが大型の資金調達に成功し注目を集めている。また、先週は、Sukiと同じくAI音声アシスタントを展開するRobin Healthも$50Mの資金調達を行いニュースとなった。

2.メディカルデバイス

1) Becton Dickinson社が、外科用シーラント(接着剤)等を開発する英Tissuemed社の買収を発表    

Becton Dickinson(BD)が、外科用シーラント(接着剤)等を開発する英Tissuemedを買収すると発表した。Tissuemedの主力製品は「TissuePatch」と呼ばれる粘着力の高いシート型のシーラント剤であり、ウージング(手術後の滲み出るような出血)を防ぐ医療材料として活用されている。BDは先々週にも静脈瘤治療の為の高周波アブレーションデバイスを開発するVencloseの買収を発表しており、M&Aによる外科関連事業の拡大を急速に進めている。

2) InterVene社のデバイスBlueLeaf Systemが、FDAのBreakthrough Device Designationの認定を獲得

米スタートアップ・InterVeneが開発する血管内治療デバイスが、FDAのBreakthrough Device Designationに認定された。同社が開発する慢性静脈還流不全(下肢の静脈弁障害)の治療用デバイス「BlueLeaf Endovenous Valve Formation System」は、カテーテルを経皮的アプローチによって静脈に挿入し、患者自身の静脈壁によって人工的に静脈弁を作成する。同社は2019年のTCT(心血管カテーテル治療学会)Shark Tank Innovation Competition(画期的な血管内治療デバイスの賞レース)で優勝したことでも知られ、同領域で注目を浴びていた。尚、同社はFogarty Innovationの卒業企業。

3.ヘルスケア

1) Google社が、自社開発初のスマートウォッチを、2022年発売に向けて開発中  

Googleが自社開発のスマートウォッチ事業を検討中。「Rohan」のプロジェクト名で開発が進められているとのことで、今年、$2.1Bでの買収が完了したFitbitとは全く別の部門(Pixel Hardware)に於いて水面下で取組みが進行中とのこと。これまで、Googleは「Wear OS」と呼ばれるスマートウォッチ用のOSプラットフォームをリリースしており、Sumsung Galaxy Watchに搭載されているが、自社でのスマートウォッチは開発していなかった。まだ、詳細は明らかになっていないが、価格帯は、Fitbitよりも高額となる見込みで、Apple Watchの競合品として、早ければ2022年に販売開始されるとのこと。

2) 過敏性腸症候群(IBS)による腹痛症状のデジタル治療が、FDA承認を取得

MetaMe Healthが開発する腹痛緩和の為のデジタル治療アプリ「Regulora」が、FDA承認を取得した。同アプリの治療対象疾患は、消化器疾患の一種で、腹痛、腹部膨満感、下痢または便秘等の症状が見られる過敏性腸症候群(IBS)。患者をリラックスさせる催眠療法で、12週間に亘って治療プログラムを提供する。IBSのデジタルセラピューティクス領域では、他にもMahana Therapeuticsの行動療法アプリ「Parallel」や、Oshi Healthのバーチャル健康支援プラットフォーム等があり、MetaMeがこれらに追随する形となっている。


記事提供者
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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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