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Stryker社が医療従事者のコミュニケーションツールを展開するVocera社を買収(【連載】北米イノベーション最前線 ヘルスケアニュース from Silicon Valley㉕)

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【私たちが想像するヘルスケアの未来は、少しずつ現実となっている。そんな北米の最新ヘルスケアイノベーション情報を定期的にお届け致します。】

1月4日~7日にラスベガスで開催された世界最大のテクノロジーショーケース「CES2022」では、Health & Wellnessがキートピックの一つとして掲げられ、デジタルヘルス・医療機器・健康予防・高齢者支援等の幅広い領域で200社以上のヘルスケア関連企業が出展しました。日本のスタートアップ企業も昨年の約2倍となる52社が、経産省等サポートのJ-Startupブースに出展。CESの会期を前に特に優れたプロダクトを扱っている企業に対し主催者CTAから贈られる「イノベーションアワード」には、過去最高の6社が選ばれ、3社がHealth & Wellness部門での受賞となりました(非侵襲血糖値センサー、吸引式ハンドドライヤー等)。3日目には、Abbott のRobert Ford CEOが、ヘルスケア企業としてはCES史上初となる基調講演を行い、コロナを受けてヘルスケアに対する関心度が高まっていることが改めて感じられました。

★Pick Up News

Stryker社がVocera Communications社を約$3B(約3,412億円)で買収

Strykerが、医療用ソフトウェアを開発するVocera Communicationsを約$3Bで買収することを発表した。Vocera社は、医療従事者同士や患者から医師への医療データの共有や、コミュニケーションの改善、ワークフロー・プラットフォームを強みとしており、スマホアプリだけでなく、医療従事者向けのウェアラブルデバイスも製造している。今回の買収は、Strykerが2021年9月に買収したGauss Surgicalと同じく、医療従事者の業務と患者の生活を改善するデジタルツールであり、既存の営業・マーケティング部隊によって効率的に拡販できると考えているとのこと。

Vocera社から連想出来る日本のサービス

未だVocera社に匹敵するサービスを展開するソフトウェアサービスプロバイダーは日本国内に存在しないと考えられるものの、日本国内で医療従事者間や患者とのコミュニケーションを円滑化出来る2つのサービスを紹介させていただきます。

①医療従事者間コミュニケーション : Chatwork

メール・電話・会議・訪問など、仕事で必要なコミュニケーションをより効率的にするクラウドツール


Chatwork

チャット ビジネスチャット チャットワーク Chatwork 

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②患者サポートコミュニケーション : SHARP 遠隔応対ソリューション

主に患者と看護師等の医療従事者がタブレットやスマートフォン等を用いてコミュニケーションを行う為のサービス


遠隔応対ソリューション

医療従事者様などのスタッフが、患者様への応対を“非接触”で行う為のsharpのソリューションです。

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1.デジタルヘルス

1) Abbott社が糖尿病モニタリング技術に基づくスポーツバイオセンサー「Lingo」ブランドを発表 

Abbott (大手医療機器メーカー)のRobert Ford CEOによる基調講演の中で、一般向けウェアラブルデバイス事業に参入することが発表され注目を集めた。ブランド名は「Lingo」で、同社が得意とする血糖値測定技術等を活かしたパッチ型デバイスとなっている(同社が手掛ける持続血糖モニタリングデバイス・FreeStyle Libreと同様、上腕に貼り付ける想定のイメージ画像が公開されいてる)。血糖値、ケトン体、乳酸、アルコール等の測定が可能とのことで、従来のApple WatchやFitbit等のウェアラブルとは全く異なる角度・深度での健康管理アプローチを目指す。発売時期や価格帯、機能等はオープンになっていないが、今後の動向に注目して参りたい。

2) 2021年末のデジタルヘルス投資:表面下での激しい変化

2021年の米国デジタルヘルス・ベンチャー投資額は、$29.1B(729件)となり、COVID-19を背景に大きく成長した2020年($14.9B[484件])から更に倍増し、最高記録を更新した。要因の一つとして、$100M以上のメガディールが2倍(44件→88件)となったことが挙げられる。2011年以降のトップ5ディールの内、4件が昨年実施された(Noom、Ro、Mindbody、Commure)。領域別で見ると、診療科は、1位:メンタルヘルス関連($5.1B)、2位:糖尿病関連($1.8B)、3位:循環器関連(1.8B)、ソリューション分野は、1位:R&D(データ・治験関連等)、2位:オンデマンドヘルスケア、3位:デジタル治療だった。また、EXIT数もM&A:272件/IPO(SPAC含む):23件とほぼ倍増している状況。

2.メディカルデバイス

1)J.P. Morgan Healthcare Conference 2022:Medtronik社が高度な心臓マッピング市場への参入を目指し、Affera社に$925M(約1,052億円)で買収オファーを実施   

Medtronicが、J.P. Morgan Healthcare Conference 2022にて、心臓血管手術デバイスを開発するAfferaを$925Mで買収することを発表した。Afferaが開発するカテーテルは、アブレーション機能だけでなく、心臓の詳細なマッピング及び手術ナビゲーションを可能としており、術者のAfib(心房細動:不整脈の一種)へのアブレーション治療を適切かつ正確なものにできるとのこと。Afib市場は巨大且つ今後も成長の見込める市場であり、Medtronicは同市場で競争していく上で課題であったマッピングと手術ナビゲーションを強化する狙いがある。

3.ヘルスケア

1) 世界で初めて、遺伝子組み換えされた豚から人間への心臓移植が実現  

米メリーランド大病院にて、ブタの心臓を人間に移植する世界初の手術が行われた。移植された心臓は体内で免疫拒絶反応が起きないよう、遺伝子組み換えされている。1月7日に約8時間の手術が完了し、臓器手術に於いて重要な監視期間と言われる48時間以上が経過した現在も問題なく作動しているとのこと。同手術の患者は末期の心不全を患っており、今回の手術以外で助かる見込みがなく、FDAは昨年末にこの手術に対して「同情的利用」と呼ばれる緊急許可を与えていた。日本と比べ移植手術が桁違いに多い米国でも、臓器移植を待つ患者がドナーに巡り合えず、一日に平均12人が亡くなっており、画期的な治療法として大きな注目を集めている。一方、動物愛護や実験的な手術に対して倫理的な非難もあり、今後議論が進んでいく見込み。

2)IBM社が子会社であるWatson Health社の売却を再び検討

IBMがヘルスケアAI子会社・IBM Watson Healthの売却を検討している。昨年2月にも同様のニュースがあったが、実現にいたっていなかった。現在、Bank of America Securitiesを通じて$1B以上での買い手を募っており、入札は1月4日が期限だったとのこと。早ければ今月末にも売却先が決まる可能性がある。同社は、これまで多くの関連企業を買収し(例:Truven$2.6B、Merge$1B、Pytel $230M)、計$4BかけWatson Healthをつくりあげてきたことから、仮に$1Bのディールとなれば、大幅な価値の減少となる。尚、昨年時点では、同事業は、約$1Bの売上がある一方、赤字事業であることが伝えられていた。


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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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