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AI画像診断支援システムのInterative Scopes社が、$150M(約173億円)を調達 (【連載】北米イノベーション最前線 ヘルスケアニュース from Silicon Valley ㉗)

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【私たちが想像するヘルスケアの未来は、少しずつ現実となっている。そんな北米の最新ヘルスケアイノベーション情報を定期的にお届け致します。】

米国では年明けから、テック企業等の株価の下落が続いています。ヘルスケア領域では、オンライン診療最大手のTeladocが、(業績は好調なものの)昨年の最高値から1/3以下まで落とした他、在宅トレーニング機器のPelotonは同じく昨年の最高値から1/5以下にまで急降下しています。他方で、デジタルヘルスベンチャーへの投資は引続き活発です。昨年の投資額は、グローバルで過去最高額となる$57.2B(約6兆6100億円)を記録し、年明け以降も大型ディールが続いています。一部ではデジタルヘルスバブルとも言われていますが、大きな需給ギャップから専門家の多くが当面は活発な投資・M&A等が続くと見ています。日本においても、ヘルステック領域での起業や新サービス開発が活況で、経済産業省によるヘルスケアやライフサイエンスに関わるベンチャー企業等の支援「Healthcare Innovation Hub(通称:InnoHub)」(https://healthcare-innohub.go.jp/)等、国による支援体制も整えられつつあり、引き続き高い注目を集める領域であると思われます。

★Pick Up News

AI画像診断支援システムのInterative Scopes社が、胃腸疾患の診断システム改良のため、$150M(約173億円)を調達

大腸内視鏡検査のAI画像診断支援システムを開発するInterative Scopesは、J&J Innovation、Eli Lilly等から$150Mの資金調達(Series B)を実施した。同社は、東南アジアで医師としてのキャリアを重ねたJoanathan NG氏が、米国MBA留学を機に立ち上げたベンチャー企業(在ボストン)。AI画像分析により、ポリープや炎症等をリアルタイムでポイントアウトし、疾患の見落とし防止や早期発見に役立てる。患者10万人分の大腸内視鏡検査ビデオを教師データとし、AIシステムの開発を進め、昨年12月に同システム「SKOUT」のCE Markを取得。また、昨年11月にFDA申請を行い、3月末までに承認を取得できる見込みとのこと。

「AIによる診断支援システム」に関連する日本のサービス

AIによる診断支援システムに関連する日本のサービスをご紹介致します。

デジタル問診:今日の問診票

医学情報データベース「Current Decision Support(CDS)」を組み合わせた本格診療支援システム。事前に患者様の症状をAIが詳細に問診し、問診結果から考えられる鑑別疾患を提示します。


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デジタル問診:AI問診ユビー

患者ごとにAIが最適な質問を自動生成・聴取し、医師のカルテ記載業務の効率化を実現するWEB問診システム。総合内科領域をはじめとし主訴に応じAIが質問を選定し、患者の回答内容に応じた参考病名を表示します。


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1.デジタルヘルス

1)Lyra Health社は$235M(約272億円)の調達に加え、グローバル展開のための企業買収を行い、企業価値$5.6B(約6,471億円)に。

メンタルヘルス・ソリューションを提供するLyra Healthが、グローバル展開等を目的に$235M(Series F)の資金調達を実施した(企業価値$5.6B)。同社は、Amgen、Uber、Morgan Stanley等大手企業75社に対して、従業員・家族向けのコーチング・セラピー・診療サービス、ウェルネスツール等をワンストップで提供している(カバーユーザー数220万人)。また、同社は先週、世界155ヵ国で企業向け従業員支援プログラム(EAP)を提供するICAS Worldを買収したと発表した(Lyraは、昨年1月にICAS Worldとの提携を発表してした)。これにより、Lyraは、グローバル1,000万人のユーザーにアクセス可能となり、グローバル展開の加速を狙う。

2.メディカルデバイス

1) MobileODT社が、子宮頸がんスクリーニングのためのVisualCheckアルゴリズムシステムを発売

AIによる非侵襲の子宮頸がんスクリーニング技術を開発するMobileODTが、ポータブルがん検査コルポスコープ(膣鏡)を上市した。同社が開発する「EVA System」は、60秒以内に、子宮頸がんの専門家と同等の精度で検査が可能とのこと。同AIは、病理学検査(生検)結果を教師データとして構築しており、精度向上に役立っているとのこと。既に2万人以上の患者が同デバイスを用いてスクリーニング検査を実施。同社はFemtech(女性の為のテクノロジー)領域で注目を集めるスタートアップの1社であり、2021年1月にNCI(米国国立がん研究所)から$2.3Mの助成金を得ている。

2) Casana社が、在宅医療デバイス開発のため、$30M(約35億円)を資金調達

在宅医療デバイスを開発するCasanaが、$30Mの資金調達(Series B)を実施した。高血圧患者は、同社が開発するトイレの便座組み込み式のバイタルモニター「Heart Seat」を自宅便座に設置することで、心拍数、血圧、血中酸素飽和度等を非侵襲で計測することが可能。計測忘れ等のコンプライアンスの低さを改善できると期待されている。取得したバイタルデータは医療従事者や家族との共有が可能。尚、今回調達した資金は、FDA承認に向けた薬事プロセスに使われる予定であり、今年中の製品上市を目指すとのこと。

3.ヘルスケア

1) IBM社がWatson Health事業を投資会社に売却

IBMは、以前から噂があった通り、IBM Watson Health事業を売却すると発表した。売却先は、Francisco Partners (PEファンド)。同社は、ヘルスケア業界に於いて、Capsule、GoodRx、Zocdoc等にも投資実績がある。売却額は公開されていないが、$1B程度と見られ、IBMは、これまで多くの関連企業を買収し(例:Truven$2.6B、Merge$1B、Pytel $230M)、計$4BかけWatson Healthをつくりあげてきたことから、大幅な価値の減少となる。発表によるとIBM Watson Healthの現経営陣は、売却完了後も残り、事業の指揮をとるとのこと。2022年Q2に売却が完了する見込みで、Watson Healthを2015年4月にローンチしてから7年での幕引きとなる。

2) 遠隔リハビリサービスが、メディケア・アドバンテージ(高齢者向け保険)の保険カバー対象に

米医療保険大手のCignaが、メディケア・アドバンテージ(高齢者向け保険)の被保険者に対し、米スタートアップ・RecoveryOneの遠隔リハビリサービスを保険カバー対象にすると発表した。整形外科患者は、スマホ等に専用アプリをダウンロードし、オンラインセラピーを受けることが出来る。遠隔リハビリ領域は近年Hinge Health、SWORD Health、Kaia Health等のユニコーン・スタートアップの成長と共に大きな注目を集めている。 Kinex Medical(リハビリ機器メーカー)の調査によると、62%の整形外科医が、患者に遠隔リハビリを推奨したいと考えているとのことで、今後の急速な普及が期待される。

記事提供者
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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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