医療に携わる
あなたの仕事を効率化

【ウェビナーレポート】病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向③

アイキャッチ画像
目次

2021年10月29日に開催しました「病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向」のウェビナーレポート③をお送りします。

エム・シー・ヘルスケア株式会社 顧問

山田 謙次

元野村総合研究所コンサルティング事業本部プリンシパル。特にデジタルヘルス・医療・介護・医薬等のヘルスケア分野における事業戦略策定支援を担当。

※①・②については、以下のウェビナーレポートをご覧ください。

【ウェビナーレポート】病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向①

【ウェビナーレポート】病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向②

2.デジタルヘルスにおける13のトピックス

3)オンライン診療

次は、オンライン診療です。

これについては皆さん既にご存知かと思います。大前提として、初診から使用するのはどうなのかという懸念や、オンラインではとてもじゃないけれども対応できないものもあります。

私としましては、オンラインの診療、場合によっては受診勧奨、それから服薬指導、治療系アプリ等が出てきたことにより、患者の継続管理が可能となってきたと認識しております。継続して管理すべき患者を、地域の診療所にお返しすることもあるでしょうし、外来を継続するということであっても、投薬や指導を行い、一定期間をおいてお会いします。

その間は手が離れているわけですので、患者がどういう状態になって帰ってくるかは、ひと月ふた月経ってみないと分からない。週単位で外来を求めているケース以外の場合には、やはり手が離れた外来空白時期ができます。こういった期間への対応として、オンラインを用いることで、継続管理が可能となってきたという認識であります。

現在まで遠隔診療や遠隔医療等、いろんな言葉が使われてきましたが、今はオンライン診療やオンライン服薬指導という言葉に統一されております。オンライン診療は、遠隔診療という大きな枠組みの中に入っていますが、その中にはオンラインの受診勧奨や遠隔健康医療相談というものもございます。医師が行わなければならないもの、あるいは医師以外のものでも良いものと、区分されていますが、診療報酬がついているのはあくまでもオンライン診療までのところであって、それ以外は自由診療、あるいはもし費用を取るのであれば患者の自己負担ということになります。

ただ、上記のような様々な形態を組み合わせて活用することを前提に、在宅時の治療継続に使える技術として考えてもよいのではないかという認識でございます。

ちなみに、今オンラインの診療あるいは服薬指導につきましては、新型コロナウィルス対策ということで時限的な取り扱いがされており、初診におけるオンライン診療が認められ、対面とさほど変わりないレベル感の点数がついております。これを今後どう扱っていくかが検討課題となりますが、一度こういう仕組みを作った以上、これをうまく活用しようという考え方は厚生労働省にもございます。

現在(2021/8/5時点)オンライン診療を実施している医療機関は約16,000ありますが、全国10万強ある診療所・病院の中で利用しているのは、これぐらいの程度かなと思います。初診実施の医療機関は約6,000となっております。オンライン診療における疾病コードを見ますと、やはり上気道炎、気管支炎、発熱、あるいはアレルギー性鼻炎等、一般に風邪と言われる症状から発するものが半数以上を占めております。

今申し上げたものに加え、糖尿病や循環器の疾患等も、継続的な管理を行うところまではいっておりません。オンライン診療を継続管理に使用するという考え方は、まだ一般的なものではないということです。しかし、仕組みとして使用していくのであれば、治療空白があったところをより積極的に管理していくという考え方もあってもいいのではないかと思います。

オンライン診療ツールはいくつかでておりますが、各社保有する機能や仕組みが異なります。診療所での利用を前提としているケースが多いのですが、病院における患者の情報管理等も含めた仕組みとして作られているケースもございます。単純にコロナウィルス状況下において、間を埋めるためにやむなく使われているというケースもあるかとは思います。しかし恒常的に使用していく際には、なんの目的で使用し、どの疾患でどのプロセスをカバーするのかという考え方をしっかり持ち、こういった各社の技術を選定して、使っていければ良いのではないかと思います。

4)オンライン服薬指導

次は、オンライン服薬指導についてです。 服薬指導につきましては、医薬分業を完全にされている場合は外部の提携する薬局にお願いするということになりますが、院内薬局を持っていらっしゃる場合には、オンライン診療と組み合わせて実施することが可能かと思います。

服薬指導については、対面の縛りが非常に強かったものでありますが、2019年薬機法改正により2020年9月から一定要件の元、解禁されております。オンライン使用については、かなり制約が多かったのですが、現在コロナ対策の時限的措置ということで初回あるいは電話でのオンライン服薬指導が実施可能となっております。ただ、今後このまま継続されるかどうかは、現在検討中であり、先ほどのオンライン診療と似たような状況でございます。

真ん中の列にある4月10日事務連絡の取り扱いにおいて、初回であっても、薬剤師の判断により、電話・オンライン服薬指導の実施が可能になりました。実施方法については、オンラインではなく電話だけでも可能となり、大幅な条件の緩和がみられます。ただこれについてはあくまでも時限的措置ということですので、どこまで続けるのか、あるいはどの程度元のルールに戻すのかというところは現在検討中ということでございます。

5)スマートフォンでの画像共有アプリ(救急関連)

次に、スマートフォンでの画像共有アプリ(救急関連)でございます。

このあたりからすでに診療報酬がついているものも入ってまいりますが、こちらについてはご存知の通りJoinの話でございます。 

Joinは救急系のために作られたというわけではなく、本来は医療画像の共有アプリケーションでございます。この情報共有系のアプリケーションというのは多数存在しているのですが、診療報酬制度において医療現場での活用に耐えられる水準であると証明されたというのがトピックスでございました。

医療機器系の技術というのは、特にいろんな点数のつけ方がございます。医療現場でも積極的に活用していいのではないかと厚生労働省が判断したものについては、現在の診療報酬体系の中で活用することにより、病院側にも経済的なメリットがあるものがいくつか出始めてきたということでございます。

このJoin汎用画像診断装置用プログラムは、医療機器認可されたアプリケーションの中で保険適用されたものの第1号となります。後で治療における保険適用第1号というのが出てきますが、こちらは診断画像を処理をし、小さいスマートフォンやパソコンの画面でも一定の判断ができる水準に処理をし、電送によって共有するという機能でございます。従来の画像水準であれば、医療情報としては不適格であるというのが認識だったかと思います。かつてはフィルムに焼き付けて、それを見なければ診断できないということだったわけですが、今は当たり前にディスプレイで見ることができるようになりました。

ディスプレイについては、それだけ精細度があがったということになるわけですけれども、今度はその画像処理の技術とそれからスマートフォン等の処理技術、ここが非常に上がってきたということで一定の判断が可能であるという認定がされたということでございます。

仕組みとしては、この機器やプログラムそのものの利用に診療報酬がついたわけではありません。ICUや救急のケアユニットの施設基準、人員配置基準を緩和して、その緩和要件の中に、Joinの使用が組み込まれるという形で診療事実上、診療報酬が算定できるようになったということでございます。例えばこの右側の2016年改定というところにある、診療上必要な情報をただちに送受信できる体制を整えている場合は、ということで、その際にはこのJoinという認定された医療機器を使ってくださいということです。

デジタルヘルスといわれる様々な技術には、これらの考え方が影響を与えております。人員の基準の緩和という方向性もあり、同時に加算の改定もされており、思いつきではなく、そうとう練った形で点数をつける形式となっております。

→ 【ウェビナーレポート】病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向④ へ続く

記事提供者
記事提供者
エム・シー・ヘルスケア株式会社

コトセラやサービスのことなど、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら