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【ウェビナーレポート】病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向④

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目次

2021年10月29日に開催しました「病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向」のウェビナーレポート④をお送りします。

エム・シー・ヘルスケア株式会社 顧問

山田 謙次

元野村総合研究所コンサルティング事業本部プリンシパル。特にデジタルヘルス・医療・介護・医薬等のヘルスケア分野における事業戦略策定支援を担当。

※①~③については、以下のウェビナーレポートをご覧ください。

【ウェビナーレポート】病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向①

【ウェビナーレポート】病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向②

【ウェビナーレポート】病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向③

2.デジタルヘルスにおける13のトピックス

6)禁煙治療アプリ

次に禁煙の治療アプリです。

治療型のアプリケーションも、通常の医療機器と同様に有効性・安全性というものが証明されるものが出現してまいりました。 こういったアプリはどのように使用するかということですが、元々このアプリケーションは、それぞれがかなり独立した診療というものを意識しており、これだけで治療が出来るものを目指して開発されております。そして一定の臨床試験、臨床研究あるいは知見上の成果も認められてはいるのですが、実際果たしてこれだけで診療できるかというとそうではなく、当然医師の管理が必要であるということです。その際にどういった方法を使用するのかというところに、オンライン診療が組み合わさっていくということでございます。

またアプリだけではなく、当然、投薬と組み合わせるということもございます。こうなりますと、先ほどのような服薬指導等も必要になってきますので、このあたりをオンラインで患者さんが利用しやすい環境、あるいは継続がしやすい、継続のための助言をしやすい状況をつくり、組み合わせて使用することは、十分検討の価値があるのではないかと考えます。こういうものを自院としても取り組むのかどうなのかというのは、これはそれぞれのご判断ということにはなります。

CureAppという会社がつくられた仕組みが、こちらです。

治療法として、初めて診療報酬が認められたという事例になります。一般にチャンピックスと呼ばれるバレニクリンを用いての禁煙治療、基本的には薬物治療になりますが、その際に一般的にはこの12週間・計5回の診療というのが標準となっており、2回目からはオンラインにて実施可能ということになっております。それだけでは成果が思うようにあがらないということもよくあるということで、その後も継続して治療を続けるという場合、ほぼアプリだけで治療継続が可能といった仕組みになっております。医師が情報を管理して受診を促すというようなことも当然必要なわけですが、その仕組みにそれぞれ点数がつきました。合計でいうと2,540点ということで、想像以上に高い点数がついております。禁煙治療というものの重要性を、ある意味で厚生労働省が認めたということになろうかと思いますし、この技術そのものも十分有効性が十分あると認定されたということかと思います。

ただ現在、製薬メーカーにて、製造上の問題によりチャンピックスが出荷停止という事態になっております。ですのでこの辺りのところは遅れが出ているわけなんですが、禁煙治療のようなものがオンライン診療を中心とした組み合わせで可能になれば、患者にとっても非常に利便性も高いし、安心感も高いということで、取り組む価値のあるものというレベルに達してきたのではないかなと考えます。


7)糖尿病経過管理アプリ

次は、糖尿病の経過管理アプリです。

これも非常に難しい問題です。現在、製薬会社自体が、患者を在宅で、しかも医薬品を使わずに血糖値管理ができるレベルのアプリを志向しているということです。まだ基本的には治験段階になりますので、アプリがどういう使われ方をするのか等、治験を進めるなかで変わってくると思います。私の予想では、やはり投薬なしということはないのではないかと思います。

世界中に糖尿病の服薬管理アプリはたくさんあるわけですが、医療機器のような形で認められているもの、あるいはそういう使われ方をしているものはそれほど多いわけではありません。もし服薬管理アプリ等を使用するとすれば、医師等の判断になりますが、それ自体は医学的な根拠が示されていなく、ある種患者との共有を行う為の仕組みがあるというような、その程度の位置づけのものです。

ここで上げているものは、糖尿病治療をアプリを使ってさらに継続的に管理するということを前提としており、それによる治療効果が医学的にも認められるものであるということを目標として治験を進めているものになります。

アステラスが導入しようとしているブルースターについては、アメリカのウェルドックというところですでにFDAの承認を受けたものを導入しようということです。服薬状況および食事、身体状況、それから体調変化、そういったものを継続的に記憶をし、血糖値を管理するということです。また血糖値をどういう形ではかるかということですが、アプリやスマホだけでは測れませんので、センサーとの組み合わせになるかと思います。患者任せである空白期間を継続的に仕組みとして管理するということは、十分価値があると考えます。それを治療としてどう組み込むかというのは、それぞれのご判断が必要かと思います。

8)心疾患経過管理アプリ

次は、心疾患経過管理アプリです。

心疾患系のアプリについては、いろんな取り組みがされていますが、治験まで進んでいるものは少数でございます。今実用化されつつあるアプリは血圧管理レベルということですが、心拍を把握するデバイスとの組み合わせを指向するものもございます。

この血圧降圧というものを目指すということになりますと、なかなか成果を出すのが難しく、正直言いますと降圧剤を処方した方が遥かに早い感じがございます。ただこれも同様に、一旦お家に帰られた後、医療機関に来ないというような患者もいるわけであり、そういった方々を何とか引き止めて、継続管理をするというような意味合いでは役に立つかもしれません。

それは病院の仕事ではないと、もうこれは診療所にお任せをする領域であるというふうにお考えになる可能性もあります。ただ、循環器系患者の術後管理では、現在2週間ぐらいから先は入院させ続けることができませんので、そのような患者を診療所にお預けするのはちょっと不安であるというケースには、将来的に使える技術なのではないか、と考えます。

→ 【ウェビナーレポート】病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向⑤ へ続く

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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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