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【ウェビナーレポート】病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向⑥

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目次

2021年10月29日に開催しました「病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向」のウェビナーレポート⑥をお送りします。

エム・シー・ヘルスケア株式会社 顧問

山田 謙次

元野村総合研究所コンサルティング事業本部プリンシパル。特にデジタルヘルス・医療・介護・医薬等のヘルスケア分野における事業戦略策定支援を担当。

※①~⑤については、以下のウェビナーレポートをご覧ください。 

【ウェビナーレポート】病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向①

【ウェビナーレポート】病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向②

【ウェビナーレポート】病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向③

【ウェビナーレポート】病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向④

【ウェビナーレポート】病院の経営管理者が知っておくべきデジタルヘルスの動向⑤

2.デジタルヘルスにおける13のトピックス

11) 遠隔ICU

次に、遠隔の ICU です。
これは、最近特にコロナ関係で、非常に話題になったところですけれども、ICUや重症病棟を外部からカメラによって観察し支援する仕組みであり、アメリカでは以前から普及をしております。

日本では、こういったものに診療報酬上の評価がないので、なかなか普及しなかったわけですが、重症病棟を運営する際に、経験スタッフ不足によって重症患者を受けいれられない状況があり、このような仕組みを導入することで増患につながるという評価をもって利用されている例がいくつか出てまいりました。

その一つの例としてT-ICUという会社があります。これはカルテ情報や生体情報のデータを電送した先に常駐のスタッフがおり、ICUや重症病棟のチームに対して助言するという仕組みであります。ICUや重症病棟において深夜に医師の判断が必要な場合、帰宅後の専門医にオンコールしてしまうということが多いのですが、それを防ぐということになります。また、気軽に様々な細い判断についても助言を求めることができるようになるということです。

最終的な責任は医療機関側にあるわけですので、あくまでも助言ということですが、夜間の看護師の心理的な負担を軽減し、このような環境で働くことができる技術や経験のある看護師を確保できるというところがICU重症病棟運営につながっていると、そのような評価がされているところでございます。アメリカでは、ベテラン女性看護師の非常に重要な仕事として、病棟や手術室に勤めることは難しいという方々が夜間等に自身のキャリアを活かす道として取り組まれているケースが多々あります。

仕組みとしてはフィリップス等でも提供しようとしていますが、こちらは精密な生体情報を管理する仕組みになっておりますので、ちょっとビックリする金額かもしれません。そこまでするのかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、むしろこの管理をする仕組みということ自体を重視するということでこの会社はできておりますし、このようなサービスをするところも出てきたいう状況を御理解いただければと思います。

12)ロボット支援技術

次は、ロボット支援手術です。

これはダヴィンチの独擅場だったわけですが、費用が2、3億円もするのに加え、維持費も1,000万~2,000万円となります。元々は適用も少なかったため、相当高機能の病院で、かつ医師の要望も大きいというケースでないとなかなか導入できませんでした。それでも日本において4~500の医療機関に導入されています。近年適用がかなり増えてまいりまして、経済的にもペイするようになってきたというところでございます。

一方、特許切れも発生しており、それに乗ずるわけではないですけれども、ダビンチ以外の手術支援ロボットが、日本や諸外国よりいくつか出てまいりました。このhinotori等は、ダヴィンチとほぼ同様の方向性を目指しております。その他リバーフィールドが開発したものに、内視鏡の支援を行うものなどもあります。

また、 PCIをロボットで行うものもあります。こちらの価値というのは、むしろ放射線の被曝量です。通常の手術では、常に撮影下で行っておりますので被曝の可能性が非常に高いということ、それから患者にも負担がかかるということで、ロボットが行う場合にそれを回避できるという価値を提供しているものです。

ただし確かに医師や医療チームにとっての利はあるかもしれないが、患者の利益が少ない、人間がPCIやるのとあまり変わらないじゃないかということとなり、新技術料・特定医療材料としては認められなかったということであります。いったん取り下げて今の PCIと同じ点数で申請したという状況となっております。

ですので、これ自体は機器としてはかなりの金額になりますので、購入するとしんどいということになるんですけれども、メーカー側や厚労省側も、この被曝の減というものをちゃんと評価していくという動きがあり、実はアメリカではもうすでに評価されております。医療者が安全に働けないものというのはダメなのであって、それをクリアするものを評価をしていく、そういう動きが出ておりまして、それをにらんだ上で、もう一度検討していく状況でございます。

13)スマート手術室

スマート手術室、これで最後になります。

現在の手術室ではどうなっているかというと、非常に多くの情報が同時に提示され、術者はそれを逐次確認しながら頭の中で判断するという、難易度の高い状況になっております。

このスマート手術室というのは、外部で開発された情報統合技術をこの手術室に適用したというものであります。デジタル情報があれば、様々な提示の仕方でディスプレイに表していくことで、一覧性を保ったり、重ねて表示することが可能になります。これにより、術者が瞬時に判断することを支援するというものでございます。

特にこの女子医大で検討してまいりましたSCOTいう技術は、日立とOPEX PARKという合弁の会社と、3者で開発していたものであります。こちらは商品化された状態ですけれども、まだこんな絵に書いたような手術室というのは、なかなか世の中にはないわけですので、今それぞれ見積りをとって検討する段階です。この手術室の中の情報を統合してみせることで、術者を支援するという技術は強く求められておりまして、常に繊細な判断が求められる中で、いかにこの情報をうまく見せるかというところは非常に重要だといわれております。

ただ、今のところはこれに対して診療点数がつくわけではありませんので、ここで行われている手術の価値とこの技術の見合いということになり、すぐにどの医療機関でもということではないかと思います。けれども、こういった情報を投稿してみせていくという技術も、別途それぞれのメーカーより出てくるかと思います。このような手術室といったものを概念として理解していただき、この手術を担当する医師との協議で、その費用対効果を考えていただければなという風に思います。

駆け足のお話になってしまいましたけれども、今このデジタルヘルスというものを見るときの、考え方の一助にしていただければと思います。ありがとうございました。

記事提供者
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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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