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令和4年度診療報酬改定のポイント①(全6回)

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目次

本記事では、急性期病院における令和4年度診療報酬改定のポイントについて、医療政策情報の収集・分析専門家による解説をお届けします(全6回)。

1.地域の最後の砦といえる高度急性期入院医療に手厚い評価

1)重症度、医療・看護必要度の見直し

今回の診療報酬改定において、もっとも注目を集めたのが重症度、医療・看護必要度の評価表の見直しだったといえる。ご周知のとおり、A項目から心電図モニターの管理が除外されたというのは大きな衝撃だった。その結果もあってか、重症者の受入れ割合についてはやや緩和されたものとなったが、急性期一般入院料1(旧・7:1入院基本料)については、現状維持の割合となった。そこで注目しておきたいのが、救急医療管理加算の見直しだといえる。点数が引き上げられるとともに、消化器疾患患者で緊急処置を必要とする状態や蘇生術を必要とする重篤な状態が追加された。重症度、医療・看護必要度のA項目にある「救急搬送後の入院(5日間)」の増加につながることにもなるため対応を確認しておきたい。

2)急性期充実体制加算

高度急性期入院医療で注目される項目の一つに急性期充実体制加算があげられる(図1)。これは、急性期一般入院医療1の届出医療機関であり、全身麻酔による手術2,000件/年以上(緊急手術 350件/年以上)又は 300床未満病院の場合は 6.5件/年/床以上(緊急手術 1.15 件/年以上)といった実績の他、紹介受診重点医療機関か紹介割合50%以上かつ逆紹介割合30%以上であることが求められる。なお、総合入院体制加算との併算定は不可となっているが、総合入院体制加算と比較すると全身麻酔手術の実績以外の手術等の実績はほぼ同じといえるものの、診療報酬点数は大きく異なる(図2)。集中治療室や院内心停止を減らす取り組みとしての院内迅速対応チームの設置など、設備と人件費がより必要とされるものが急性期充実体制加算にあることがその理由と考えられる。COVID-19感染拡大で露呈した高度急性期医療の体制面の脆弱さをカバーし、いつ訪れるかわからない新興感染症への備えとしての意味合いもあることが感染対策向上加算1の届出が要件となっていることからもわかる。今後、急性期充実体制加算の届出を行う医療機関には、地域の最後の砦として、また感染対策を通じた地域の医療の質向上に貢献していく責務が課せられる。

図1:

図2:

3)重症患者対応体制強化加算

また、特定集中治療室にさらなる手厚い人員配置を評価する重症患者対応体制強化加算の新設も注目される(図 3)。文字通り手厚い配置を評価するものだが、ここで着目しておきたいのは「地域の医療機関等が主催する集中治療を必要とする患者の看護に関する研修に講師として参加するなど、地域における集中治療の質の向上を目的として、地域の医療機関等と協働することが望ましい」という施設基準が盛り込まれたことだ。実は今回の診療報酬改定では、感染対策向上加算や人工腎臓の導入期加算などで地域での医療機関との研修を行うといった文言が目立つ。特定の領域における地域のオピニオンリーダーとなる医療機関には、地域全体の医療の質向上に向けた取組を通じて、近隣医療機関での重症患者の受入れキャパシティを広げることで、地域における負担の分散を実現し、当該医療機関の負担の軽減・働き方改革を間接的に実現することが期待されているといえる。

図3:

4)周術期栄養管理実施加算

そして、今回の高度急性期入院医療では、医師の負担軽減の一環として、薬剤師と管理栄養士による専門性を発揮したチーム医療の評価も注目点だ。近年、その評価が高まる管理栄養士に対する新たな評価として周術期栄養管理実施加算が新設された(図4)。ただし、総合入院体制加算もしくは急性期充実体制加算の届出のある医療機関に限定され、専任で常勤の管理栄養士の配置が必要となる。また、早期栄養介入管理加算の併算定は不可となる。管理栄養士による介入の評価は、早期栄養介入管理加算や回復期リハビリテーション病棟入院料等でもその実績が評価され、診療報酬改定の都度拡充している。今回の改定の結果如何では、次回の診療報酬・介護報酬同時改定において、医療と介護の連携のキーパーソンとしてさらに脚光が集められることが期待される。

図4:

→ 令和4年度診療報酬改定のポイント② へ続く


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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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