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令和4年度診療報酬改定のポイント⑤(全6回)

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目次

本記事では、外来における令和4年度診療報酬改定のポイントについて、医療政策情報の収集・分析専門家による解説をお届けします(全6回)。

※令和4年度診療報酬改定のポイント①~④については、以下の記事をご覧ください。

1.連携で実現する「負担軽減」

COVID-19感染拡大では、「医療崩壊」といった表現が度々メディアで目にされたのは記憶に新しい所だ。この「医療崩壊」が意味することは、救急対応・緊急対応などを行う高度急性期が機能しなかった、ということを意味するものがほとんどだったといえる。機能しなかったと言われるその理由を突き詰めていくと、救急医療等を担う高度急性期に対する評価が必ずしも充分であると言い切れない点にある。よく言われることだが、日本の医療提供体制と海外の医療提供体制を比較して言えることとして、日本の場合は人口に対して医療機関の数が多く診療密度が低い、と言われる。そこで、かねてから地域医療構想を推進していくことで、地域の実状に応じた病床機能の適正化と集約化と連携の強化を実現しようとしてきた。しかしそれは、高度急性期に重症患者が集中することを意味する。医療依存度の高い患者を数多く診る事は医療事故のリスクが高まることでもあり、特に医師の負担が重くなることでもある。

院内連携・院外連携にフォーカスを当て、医療機関における負担軽減について、令和4年度診療報酬改定での対応について整理してお伝えする。  

2.チーム医療のさらなる推進。薬剤師に期待されるものを理解する。

高度急性期及び急性期医療に対する手厚い評価が注目集めた令和4年度診療報酬改定だが、ただ単に評価が手厚くなったというだけではなく、従来以上に重症な患者を、多く受け入れていくことも同時に行っていくこととなる。それを端的に表しているのが、重症度、医療・看護必要度における心電図モニターの削除に表れている。またさらに、新たな高度急性期を評価するものとして創設された「高度急性期充実体制加算(図1)」にも注目が集まる。

図1:

厚生労働省 令和4年度診療報酬改定説明会資料

スタッフの処遇改善や設備投資を意識した非常に手厚い評価となっているが、その一方で、年間の全身麻酔手術件数2,000件以上や外来腫瘍化学療法の届出(レジメンの4割が外来で実施可能)などといった実績、さらに外来も含めて重症患者への対応にフォーカスするべく敷地内薬局がないことなどが施設基準に含まれている。高度急性期の新たな指標もといえる内容であるものの、先に紹介したように、従来以上に重症患者への対応が求められることとなるため、医師を始めとする医療従事者には高い緊張感と負担がのしかかる。

そうした状況に対する一つの解決策として今回注目されているのが「術後疼痛管理チーム加算(図2)」と「周術期薬剤管理加算」だ。いずれも薬剤師が要ともいえる新たな評価だといえる。術後疼痛管理チーム加算については、疼痛管理に係る所定の研修を修了していることが求められる(修了書が発行されていることに注意)。近年のチーム医療に関する評価は、このように学びが条件となっていることから、積極的に人材育成に投資をすることで、後々診療報酬にてリターンがあると考えた人材育成計画の立案が重要だとも言える。周術期薬剤管理加算については特に学びに関する施設基準等はないが、「根拠に基づいた周術期患者への薬学的管理ならびに手術室における薬剤師業務のチェックリスト」(日本病院薬剤師会)や薬剤の安全使用に関する手順書の整備といった業務の標準化に資する環境整備と病棟薬剤業務実施加算1の届出があることが必須となっている点に注意が必要だといえるだろう。

図2:

厚生労働省 令和4年度診療報酬改定説明会資料

他にも、褥瘡対策チームでの薬学的管理に関する診療計画への記載なども求められるなど、高度急性期・急性期における薬剤師の関わりが評価につながるものが見受けられている。単に医師の負担軽減へのお役立ちというだけではなく、病院薬剤師としての存在感を高める好機としてとらえたい。

→ 令和4年度診療報酬改定のポイント⑥ へ続く

→ 【更新情報】令和4年度診療報酬改定についての疑義解釈資料(その9)/2022年5月25日 はこちら

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エム・シー・ヘルスケア株式会社

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