医療に携わる
あなたの仕事を効率化

令和4年度診療報酬改定のポイント⑥(全6回)

アイキャッチ画像
目次

本記事では、外来における令和4年度診療報酬改定のポイントについて、医療政策情報の収集・分析専門家による解説をお届けします(全6回)。

※令和4年度診療報酬改定のポイント①~⑤については、以下の記事をご覧ください。

1.医療機関の負担を地域で分散する視点

働き方改革と言えば、ICT関連サービスの導入や先に紹介したチーム医療の推進などが代表的なものとしてあげられるが、それにも限界はある。そこで、従来高度急性期・急性期が担っていた役割で、地域の他の医療機関に移行できるものを移行していく、という考えが令和4年度診療報酬改定では多く盛り込まれている。例えば、感染対策向上加算や重症患者対応体制強化加算(図1)といった項目では、高度急性期医療機関の取組等を地域の医療機関とのカンファレンスや研修を通じて共有し、地域全体で取組の質を高めることを通じて、地域内の各医療機関における対応できる重症レベルを引上げ、高度急性期医療機関への集約化を少しでも緩和することなどが期待されている。

図1:

厚生労働省 令和4年度診療報酬改定説明会資料

また、従来医療機関が行っていた入院予定患者の持参薬の確認を、薬局が行うことで評価されるという項目「服薬情報等提供料3(図2)」も創設された。病院の働き方改革を薬局が支援するともいえるもので、薬薬連携に対する新たな評価としても注目される。前回改定で新設された「退院時薬剤情報連携加算」と合わせて考えると、薬薬連携の入口と出口の評価が整ったともいえる。

図2:

厚生労働省 令和4年度診療報酬改定説明会資料

今後、リフィル処方箋やオンライン診療の認知度が高まるにつれ、希望する患者も増えてくることが考えられる。実際に対面診療する機会が減ることで患者の状況確認と処方の切替の判断が難しくなることを考えると、医師と異なり、服薬指導などで対面する機会は減少しない薬局薬剤師を通じた患者情報の収集や受診勧奨が重要になる。非接触・対面診療減少時代に合わせるように、薬薬連携・医薬連携は今後ますます重要となることを今回の診療報酬改定はメッセージとして伝えているといえる。

2.地域包括ケア病棟は量的拡大から質的向上のフェーズへ

その誕生から一貫して増加してきた地域包括ケア病棟だが、これまでは主に自院内の急性期病棟等からの転棟など、自院内でのマネジメントとして使われることが多かったといえる。しかしながら、本来の地域包括ケア病棟に期待されるのは、急性期からの病状が安定した患者の受入ればかりではなく、在宅や施設からの受入れや2次救急などの実施といった、いわば地域の共有財産ともいえる病棟としての運用だ。今回の診療報酬改定では、全国的に件数が増えてきたこともあり、今後は質を高める、すなわち在宅との関わりの実績を求めるもの、具体的には減算規定を多く設け、在宅医療との関わりの比重が高いことを求めることとなった(図3)。より在宅との結びつきを強化していくことが求められることから、地域で在宅医療を担う医療機関との連携の強化や、自院の外来での地域包括診療料の届出を通じてかかりつけ医機能を発揮し、退院後も患者のフォローに努めていくことなどの対応が求められることとなる。

図3:

厚生労働省 令和4年度診療報酬改定説明会資料

また、大規模な病院で地域包括ケア病棟を有する場合には、院内での転棟割合の基準を設けて、減額することとなっているが、今回の診療報酬改定ではその対象となる医療機関も拡大させることとなった。とはいえ、地域の事情によっては、その地域で担える病院が当該病院しかないなどの事情もある。そうした事情も反映してなのか、他の医療機関や施設からの救急受入れに対する評価を拡充することとなった(図4)。規模の大きな病院が有する地域包括ケア病棟では、病病連携も重要な取り組みとなる。

図4:

厚生労働省 令和4年度診療報酬改定説明会資料

そこで、今後の地域包括ケア病棟を有する病院においては、以下の取組を意識していく必要があると考える。

●地域包括診療料の届出を目指し、退院後も患者との関係を維持継続することで、レスパイト入院や教育入院などの需要を取り込む。そのためにも、地域のかかりつけ医と共に二人主治医のような対応を目指し、図5にある外来及び連携に関する診療報酬の算定を目指すことを視野に入れる。

●受入れ基準を明確にし、地域の医療機関、施設に案内をしていく。どういった患者を診るための病棟で、どういった環境であるかを伝え、二次救急の対応も含めて何かあった時の地域の受け皿となる機能を有することを周知していく。

図5:

これまで通りの運営のままでは、期待される診療報酬は得られず、これまでよりも地域との連携を強化していくなどの積極的な努力があって、現状維持となる改定内容となった。

→ 【更新情報】令和4年度診療報酬改定についての疑義解釈資料(その9)/2022年5月25日 はこちら

記事提供者
記事提供者
エム・シー・ヘルスケア株式会社

コトセラやサービスのことなど、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら